HOME 文責・作成・佐藤敏宏 | 佐藤敏宏の京都ことば悦覧録 2017年1月27日から2月2日 |
ことば悦覧録 |
森田一弥さん 2017年1月29日京都市内にて その1 その2 その3 その4 |
その02 佐藤:床下通気の穴かな・・と そうじゃなくって暖かい屋根の空気を床下に吹き付けて基礎を暖め循環させてと 森田:そうなんです べた基礎打ってあるんだけど、べた基礎の下を断熱してあって、上からの空気を地下に送り込んで基礎を暖めて1日中冷えない 佐藤:その構想で実作があるんだと インドのプロジェクトを切っ掛けに日本でも実践しはじめたんだと・・ 森田:これは京都でやっている財団法人の資料館なんですけど。工事中ですね。これも同じ考え方ですね。 町家は南側に最大の開口をとるために、巨大な集成材を使って門型フレームというので壁がない。 資料館では9センチ角の間伐材。普段の流通ではのってこないような小さな材だけを組み合わせて、骨組みを作って。小さな材を組み合わせ挟み込んでいるんです。 刻み込むと断面欠損で弱くなるので。 ここも基礎を掘り込んでおいて、基礎部分に屋根からの太陽熱を送り込む。 ここでは地下水と太陽熱利用の両方やっています。 川井:環境的なアプローチは増えて来てますね 森田:増えてますね 佐藤:8年前には身の回りの熱利用の話は一つも無かったんですがね、急にエコ人間にかわってきましたね。 森田:なぜそれをやりだしたか、さっきの町家の土間のある家なんですよ。 土間を作ったら寒いですよ、冷えますよって話をしてたんですね。 で、エアコンじゃ温まらないから薪ストーブを置こうと言って薪ストーブを置いたんですよ。薪ストーブで暖めると土間って凄い温まるんです。熱持つじゃないですか。一端温まると冷えない。 佐藤:土間に蓄熱されるんですね これはいいかも〜と 熱源は薪だ。最近の熱源は太陽の熱だと。この手はあるぞと 森田:左官職人として、ずーっと職人の間は土を仕上げとして使っていたわけです。それがカタロニアヴォールトに興味を持ってきたときには、構造として興味を持ったんです。薪ストーブを置いたときに土とかセメントとか漆喰とかは熱を貯めるんだっていうことをよく解って。 空気を暖めるんじゃなくって土だとかを 暖めてやると室内環境が良くなるわけですよね。熱源を何にするのかと考えたときに昔は火だ。今は太陽熱も使えるし、地下水も使えるし。それはポンプというものが発明されたからなんだけど。 それらを使えば、左官というのは構造でもあり意匠でもあり熱環境を整える要素としても凄い使えるぞということで。 だから今は基礎に興味があるんです。地面に興味があるふふふふ 佐藤:基礎を上手に作ると建物が温かくなったりするんだと、涼しくもなるんだと 森田:両方。だから最近の住宅は半地下にしていって。この茅ヶ崎の住宅もそうなんですけど。1階がは半地下になっていて、2階がリビングで3階寝室。 奥の風景は鏡です 佐藤:かわいらしお家ですね 森田:かわいらしいお家ですよね 佐藤:でもゼロエネルギーハウスに近づいてきているんだと 森田:そうですね 南側に向いた面がサンルームになっていて、ここの部屋で蓄熱して、その熱を1階に下す していくという考え方 茅ヶ崎は温かいですからね。 佐藤:茅ヶ崎の夏は暑そうなので、夏どう太陽光を遮るのか、そちらの方が難しそうだね 森田:そうですね、夏はどうするかなー ここのところは一端 熱を切るので、サンルームの熱が室内に行かないようにしておけば・・・。 佐藤:平面で12坪の家だね かわいらしい、何か飛び出ているし。作風が変わったですかね 新鮮な感じですね この住宅の目的はそういうことであると 急にエネルギーを考え自然の熱を大切にして、有る熱などあるもの使うおじさんになっちゃってますね 森田:それは ここ・静原に引っ越して来たのも大きいですよね。前回はそんな話してなかったのかなー 佐藤:今日は福島市内より雪がたくさんあるし〜 静原の地形と環境とに逆らった暮らし方をしてもしょうがないしね 建築家はどこに住むかっで・・・ 森田:大きいですよね。静原 こに来て非常に寒いことが 川井:ははははは 昨夜は森田家に一泊の川井操先生 森田さん 前回は本棚無しだったが・・ 森田:寒さを何とかすることの大切さに気が付いてですね ふふふふ 家は空気を暖めても、空間のボリュームが大きいから温まんないわけですよ。火しかない。輻射暖房しか効かない。それで暖炉はいいなーと思って。自宅も暖炉を造って。町家をやったときも「やっぱり火がいい」と。 古い民家とかを改修するのにエアコン効かないのはなぜかといったら、空気を暖めるからですよね。 森田さん手製の薪ストーブを置いた事務所 佐藤:温かい空気は逃げていきますので。で、熱源薪の場合は薪は自前ですか、積んでありますけど 森田:庭師さんが持ってきてくれるんですよ 佐藤:庭師さんに愛されている〜 いい庭師さんだね〜 森田:ゴミなんですよ 彼らはお金払って捨ててるんですよ ただで、いくらでも引き取るって言っているんで どんどん どんどん増えて そこかしこに薪が積んである森田家 佐藤:庭先にも薪が積んであったね。我が家は床暖と薪ストーブで25年ほどですけど、実家の山に放射能ふったんで、薪ストーブの使用はとめたままですよ 放射能灰になるので・・・ 森田:そうなんですね 佐藤:床暖房のみで寒さを乗り切って5年ちょいです。薪も値上がりしてね〜放射能が降り積もる前は一束250円ぐらいでしたが700円ぐらい。1日2束を焚くと1400円、冬場4か月で薪代17万円になるので貧乏生活じゃ灯油と薪代払えないですね ここは植木屋さんのゴミが熱源 いいですね〜 懐も部屋も温かいと 森田:そうですよふふふ 薪は外に乾かして置けばいいんですよ 佐藤:石油を焚くと外国に日本の金が出ていくけれど、薪や庭師さんのゴミは地域内を循環しているのでね、いい資源ですよね。植木屋と友達ね 冬場はずーっと燃してて火の番しなければいけないんだけど・・飽きませんか。 森田家の簡易な薪小屋 森田:それがスタッフも面白がってね。時々パソコンから離れて薪とりに行って。ここでくべて。 川井:午前中論文チェックしているとき、森田さんがたまにくべるので、なんだかいいタイミングですよね。リラックスできるというか。 森田:事務所のトイレも外に作っているから、みんな一回外に出て行くわけです。それで深呼吸して薪を持って戻ってくる ふふうふふふ 川井:いいなーと思って観てたんですけど (トイレと薪小屋 →) 佐藤:ここは住宅兼仕事場になっているから色々なものが多様にあるね。薪くべるのスタッフの方も珍しいだろうし、気分転換としてなりたね。 ネガティブな話になるけど、放射能ふる前25年ぐらい薪くべ続けて灰の処理してると火の番は飽きちゃうんだよねふふふふ 森田:そうですかふふふふ 佐藤:灰も散らばるし、 薪もちらかるし 掃除が大変だーと。 灯油はそれが無い。薪くべる行為が楽しい人もここに居たんだなーと。たしかに楽しいの思い出し 今みじみしてます 森田:薪くべ好きで楽しんでる人いますよ〜ふふふ。家には薪ストーブ2台あるから すごいですよ。ふふふ スタッフは凄い楽しんでやってますよ 佐藤:電磁調理器が出ているので、直火を焚くってこと今はほとんど無いですものね 火の楽しさも体験できていいすね〜 スタッフの面々もストーブに薪をくべなら仕事していると設計内容も変わっていきますよね 森田:変わりますよ、ここに住んで。なんだろうなー意匠的なことよりも暖かいことがどれだけ大事か! 川井:はははははは 森田:俺は土を扱える職人なんだから、土を扱える建築家なんだから、土と熱どういう扱うかってことに使う方向がいいということですよ 佐藤:土の場合は呼吸するので良いという話は聞くことですが、積極的に蓄熱材として活用するってのはほとんど聞かないですよね。コンクリート蓄熱は見たことあるけど。土のそれは面白いですね、分厚い土の壁ぽかぽかする 炭窯みたいだなー 森田:今の木造建築ってのは基礎が小さくって木造部分が大きいじゃないですか、こいつをもうちょっとでかくしてやる方が熱環境的にはよくなるよって 思いなんですよね。 佐藤:蓄熱土壁仕上げにし、通気壁工法もなりたちそうですし火にも強いし、いいこと尽くめですけど、手間がかかるかー 森田:ははははは 佐藤:最近は小舞竹を抜いてもできる下地材がでてるとも聞きますが左官屋さん大復活ですねー 森田:そうですね 佐藤:ますます仕事が多くなってしまいそうですね。昨夜泊めていただいた法然院の家の気持ちよさの源に 今 触れたような気がして納得してしまいました。2017年はエネルギーの話がメーインテーマになってきている森田さんここに在り。 ほうぼうで省エネの話はあるけれど具体的にどうするの? 窓を小さくして壁・屋根に断熱材を多量に入れて、風通しの悪い家を作っていい家だと言われても腑に落ちない人多いでしょうね。2020年に施行になる、高気密高断熱でしたか 森田:それは逆ですよね。建築を周りの環境と どうつなぐか。周囲の環境とどうつながっているか、ということを知るための装置として熱、火をくべるとか。太陽熱を採り込むとか地下水を採り込むってことがあるなーと思うですね。 地球とどういう関係の中に自分が生きるかってことが解る。 薪を持ってきて、薪はどうやって育ったのかといったら太陽の熱を木が貯めて。それが乾いて、その太陽の熱をこういう形で燃やしてるわけですね。 森田家の周りには 太陽の熱の塊である 薪だらけなのです 佐藤:貧乏は素晴らしいですね 森田:貧乏は素晴らしい。そうかこれは全部〜太陽の熱なんだと思ってるわけですよふふふふ だけどそうやって時間かかるから 屋根面から熱を採れてシロッコファンで送り込むっていうのも同じ太陽の熱を扱うっていうことだし。 ああこうやって俺たちは太陽の下で生きているんだなーと 川井:そう感じている わけですね 佐藤: ふふふ あとは電気ですよね。太陽光発電を仕入れば、おおかたのエネルギーは済ませそうですね 森田:それもここの屋根に太陽光発電を載せてて。ファンを回すだけの電力は作ろうとしているんですよね 佐藤:関西電力から電気を買わずとも まかなえちゃうぞーふふうふふふ 森田:そこで省エネとかいうことよりも、地球とどうつながってるかということが大事なんですよね。そういう意味でいうとエネルギーの循環を通しての環境とのつながり! 佐藤:l今回 そういう語りが出て来るとは予想してなかったですふふふ。前回は出てませんでしたから その03へ |
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