HOME     文責・作成・佐藤敏宏         佐藤敏宏の京都ことば悦覧録 2017年1月27日から2月2日
ことば悦覧録

    
 
 満田衛資さんに聞く 2017年1月30日 京都市内にて
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その2 

佐藤:OB会を開いてますか
満田忘年会の時は必ず声かけてます。京都で同じことやってますから、なんだかんだ集まる機会あるんで。「ちょっと呑みにいこかー」と。よくしてますけど 
佐藤:忙しいときはお互いが協力可能で
満田もちろん。去年3個ぐらい手伝ってもらってますね。やり方解るし、計算書まとめるのとか。僕が本当に忙しくって出来なかった仕事が行くとかふふふふふ、色々しているんで、そこはお互い様で
佐藤:いい関係ですね

満田:スタッフも地元に戻って、商いのエリアが小さければ仕事も少ないので、どこまで成功するのか分からないですけど。その地域・地域に構造を、こういう考え方でやるという文化と言っているんです。そういうのが根付いていってほしいなとは。
佐藤:建築は文化的な行為だから、幅が広すぎて上限っていうのか、なんていうのかわかりませんが、その中で自分はこのあたりだと決めるのが凄く難しいですよね
満田ですね、我々の仕事は結局建築家あっての仕事でもあるんで。建築家に僕が思っている「建築家が闘っている」 というやりかたをする人が、全然居ないエリアもあるわけじゃないですか。そこへ行ってもしかたないんだけれども。

そういう気持ちを持っている人がたくさん居るエリアだったら必ずビジネスとしても成立するはずなので。それはジャンジャンそういう人が育って巣立っていってくれると嬉しいですよね。

佐藤:文化的な行為なので風土ともからみますし、難しでしょうが 頑張ってと・・。建築の世界も少子高齢化の波で、人が減ってきているから、担い手や現場も含めて、構造家の世界ではそういうことはないんですか。
満田:まだ、なんていうのかな建築学科自体は相変わらず人数減らさずに続いているじゃないですか。
あとは現場に行く人間なのか、設計事務所の設計へ行く人間なのか。最近だと不動産だとか、建設設計とは、また別の、だけど設計の周辺のところもだいぶフィーチャーされているんで。行く人も増えているとは思うんですけど。

設計と言っているジャンルの中で、構造設計志望っていうのは昔よりは比率は上がっていると思うんで。なので、どちからと言うと構造設計は人手不足という感覚の方が強いので。

佐藤:独立系構造家の所にはなかなか就職しようとしないですか
満田:僕とかは来てほしいんですけど、今の学生はすぐ組織とか ふふふふ、会社として信用されてないんだなーっていう処がちょっと残念

佐藤:有名建築家だってそういう目で見れば、親は「なんて危なっかしい」と思いますよね 
満田:僕も、佐々木事務所への就職のときに怪訝そうな顔されましたは。、けど好きな路を進むんやったらいいかーみたいな、最終的には言ってくれますけど。ちょっと、ありましたね、そういうことは ふふふ うん。

佐藤:設計は別としても全体では建築界はダーティーなイメージもあるね、
満田:色々事件はありましたからね〜。ゼネコン汚職とか今は箱もの行政がどうたらこうたらで ふふふ、直ぐ悪者になっちゃっているから
 


佐藤:8年前は大学では教えられてはいませんでしたが、構造を教えるようになった切っ掛けはなんでしょうか
満田:教えていると言っても非常勤だけですので。各学校色んな事情があって。担当している内容も違うんですけど。

一つはアネハ事件 (国会記事録)後に建築士法が変わったので、建築士の受験資格が僕らの時代は大学院卒だったら2年間の実務したのと同じだから、院卒ですぐ受験が出来たんです。今はそれだけじゃなくって、大学院にいたときに何を何コマ、何を何単位、決められているんで。

美大でも構造の授業をしないと、実務要件にカウントできないというのがあって。それが無いと人が集まらないだろうということで美大の大学院で構造を教える授業が。そういう先生が居ないから、まだ美術寄りっていうか建築家との仕事をたくさんやっている人だから、いいんじゃないかっていうような事情じゃないですか。

 普通に設計演習、その中で構造の事も取り組んでいこうとスタイルでやっていらっしゃる学校もあって。その課題は駅前の広場に大屋根を掛けるとか。校舎と校舎の間をブリッチでつなぐとか。構造を考えないとデザインに直影響しているやつをやる演習があって。それは120人の大きい学校なので、意匠3人構造3人の先生で教えるんですけど。

それも学校の方針じゃないですか。設計演習に構造の先生入れる入れないとかというのも学校しだいなので。

あとは特別講義みたいなかたちで、ちょこちょこ行っている。作品解説みたいな。その時には構造設計者がしゃべるんで、出来るだけ学生が学ぶ基本的な公式とかたわみの式とか、こういう風な考え方になっているよと意識しながらしゃべっているんです。その大学へは毎年二コマ特別講義で行くんですけど。毎年呼んでくれてますよね。

 呼ばれ方も様々で、教えてる内容も様々で。

佐藤:だから、現場に来て聞かないと分からないんです。博士号を手に入れると構造を専門に教える先生になるのかなと、思ったんです。その当たりは
満田専任の話とかもあれば、もちろん受けようとは
佐藤:受けようと思っていると

満田:はい。何で呼びたいかっていう話とセットだと思うんですけど。そういう場面もくるだろうという意識は持っているので。その時は

佐藤:独立系の構造家に出会う機会は少なくって、満田さんが初めてぐらいですけども。最近の木造を観ていると、プレカット屋さんお任せ風で、若い建築家たちは木造でも構造家にお願いして、構造についてキチンと勉強しなくってもできていく雰囲気があるように思います。

意匠と構造のあるべき姿、連携の仕方を何かありましたら これを機会に、若者建築家に向けで何か

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