HOME 文責・作成・佐藤敏宏 | 佐藤敏宏の京都ことば悦覧録 2017年1月27日から2月2日 |
ことば悦覧録 |
内田康博さんに聞く 2017年1月30・31日 京都市内にて その1 その2 その3 その4 その5 その6 その7 その8 |
その02 内田:山車の模型を作るの考えたら、渡辺さんの建物も簡単なんですよ。もう簡単。余呉とかね、簡単なんですよ。あーこんなに簡単なんだって。はははは 佐藤:簡単な図形で密度を濃くしつこく作るけど作図は簡単だと 内田:歴史的な建物と比べると簡単。それをやろうと思へば、手の届かないと僕は思っていたので、ふふふ。 宮大工の仕事と比べたら現代建築はいかに低レベルな、こんな訳が解り切ったような事を解ったような顔して、何を言っているんだろうと、そうとしか思えなかった。 佐藤:当時の京大の川崎先生って言ったら宇都宮に美術館とか設計して飛ぶ鳥落としてたんじゃないの 内田;そうそう。 それが薄っぺられにしか見えない はははは 佐藤:人気の川崎先生にも惑わされることもない、相当に変わった学生だったのね。そっちに行く人が多数派でしょう 内田:そうですよね。 佐藤:なかり長い付き合いですたが渡辺事務所に入った理由がきょうようやく解り始めました 内田:長いお付き合いはははは 自分の中でも わかりましたはははは 佐藤:解ると、内田さはぶれてないね。今は、町家再生しているので、一時的に横ずれして渡辺事務所に入ったのかなと想ったりしてたけど。学生時代に戻ってすこし細かく町家など改修しているだけだね 内田:時々元々こうだったなと。 佐藤:町家再生では子供の時に憧れていた、あの屋根の曲線は作り出せないけど 内田:あれにはたどり着きません。そういう意味で言うと寺社仏閣は別として、京町家はだんだん解ってくるというか、だんだん手の届く範囲だなーと。ほとんど直線なんですよ 佐藤:直線を積み重ねていくんだし。 内田:そうですね。渡辺さんの事務所辞めてから一人でふらふらしている時に、京町家再生研究会においで!って言われて。京町家再生研究会っていうのが。23年ぐらいになるらしいんですけど。そこに、誘ってくれる人がいて。 面倒くさいからやらないんですよね。仕事にならないし。みんな居なくなっちゃうんですけど、僕は誘われたら行かなきゃいけないような気がして。興味はあるんですよ。 ただ自分には及びもつかないと思いながらはははは。行ってるうちにだんだんと、そんなもんかなーと思うところがあって。 佐藤:めちゃ素直でいいね 古建築に関わってやってみようと。 内田:及びもつかない。、おいでって言われたら行かなきゃならないだと思って。ふふふふ 断れない。はははは、可能な範囲でいっているうちに 研究会の中に作事組っていうのがあって。再生研究会に改修の相談が来る。その中には設計する人とか大工さん居て、改修をちゃんと受ける 町家は町家らしく、伝統工法で直そうという団体作ってあったんですね。 町家改修したいという人の注文が来るわけです。みんなで分担してお互いに勉強しながら、監理もしながら直していくと。設計者が5、6人居るんですね。今は3、4人ですけど。順番に設計が回ってくる。初めは誰かと一緒にやったりして、だんだんとやらされていくわけですね。 付き合っているうちに面白いなーと思って。昔の大工さんがどう考えて、作ったかなーと想いながら、観ながら、測ったりしながらやっていくのが面白いですね。なるほど上手くできているなーと。それが無いと設計なんかできるはずがないと。 佐藤:木を積み重ねる共通の約束事があってね 内田:約束事があって、それが無いと出来ない。大学出て、いきなり設計せい!と言うわけですよ。何をどうしたらいいのか、全然分からないじゃないですか。 誰に聞いても教えてくれない訳ですよ、結局教えてくれませんでしたよね。何を基にみんな設計しているんだろうと。全然解らなかったですね。 佐藤:渡辺さんの設計した建築は伝統的な古建築と比べたら簡単だって思えたのはいいね。そんなことを考えていたなんて全然知らかったよ 内田:あんまり言わなかったふふふ、後になって思ったってこともあります 佐藤:自分が今何をしているのかなんてなかなか気が付かないじゃない 内田:気が付かないでやってますよ。 佐藤:後になって他者(=自身)に分かり易く説明するために自分が編集しているかもしれない。物語はだいた後付で出来るんだから、だいたいそんなもんだよ 内田:ははは 無理やり筋立てるかも知れない ふふふ 佐藤:今は、おめでとう って感じだね。渡辺さんの事務所に入ったのはちょっと長い寄り道してたって感じだね。 内田:うん うん 佐藤:これからが、子供の頃に秩父で神社を見上げて、建築をやるぞと想った道が、すこしずつ太くなって来ている感じがするね 内田:そうですね。 佐藤:木造建築興味なかっただけど おもしろいですか 内田:それはよく考えているなーと思って面白いですよ 見にいったりとか測ってみたりとか。なるほどよく考えているなーと。 昔の民家をそのまま直している人がいたら行けば良さそうにも、今の話だと思うんですけど。その時はそう思わなかったですね。それはそれでよかったなーと。古民家専門になろうとはなぜか思わなかった。今やっていることはもしかすると古民家専門の人みたいなことをやっているのかも知れないですけど、今でもそう思うんですけど。 佐藤:頭だ考えていたことと行いが、ずれちゃっているから 面白いね 内田:どっちかと言うと僕はですね、特徴の無い人間みたいなんですけど、とりたてて個性を発揮しようとかですね、自分独自の何かみたいな事は無いわけですよ。 平均みたいな どっちかと言うとそうありたんですね。たぶん。で京都の町家は一番いいのかどうか分からないですけど。いいと言われる。 何がいいかと言うと、平均だから。特徴が一番無いと。見比べるとですね、今京都に住んで馴染んでいるからですけど。 色んな所に行くと、それぞれ特徴があるわけですね。もっとがっしりしているとか。もっと細いとか。京町家は一番特徴が無い。 いかに特徴を無くすか〜、みたいなところの究極まで行かないですけどっていうところで落ち着いている、教科書みたいな感じがするんです。 そこがだから魅力的みたいな。一番なんとも思わない。何か格子が細いなーとか、がっしりしているなーとかじゃなくって、なんとも思わない。だから一番落ち着くとはははは。 佐藤:それはいいですね なんとも思わせないのがいいと。 内田:なかなか通じないところもあるんですけど。 顔をパソコンで採り込んで職業別の顔写真。平均するとプロ野球選手だったら、野球選手みたいな顔になって。ラグビー選手平均 なるほどこれと。警察顔とか何か特徴があるじゃないですか。それを全部平均すると、どうなるかというと。けっこう美男美女になると。要するに特徴が無いのが美男美女だという話があって そういうことかなーと。 佐藤:今のリフォームの宣伝なんか外道だね 内田:変わったところを探す。 佐藤:古建築だからいいも邪道だね 内田:昔の建築だからよかったというわけじゃない。 佐藤:近代が行き詰って原発事故も起きてしまて足元みたら身近にエコの暮らしがあったじゃないか。平均的な建築あったじゃないですか。そういうことで評価されるっていうわけでは内田さんはないんだぞと。 平均的で特徴が無いのが素晴らしいと言っている。今流布している価値は もしかしたら京町家・古建築の評価をひっくり返ってる評価なんだと 内田:そうそう。珍しいみたいな 評価のされ方は・・・ 佐藤:ここに来て、内田さんのように町家などの古建築を考える人に初めて出会うことができました。見た目の素敵〜古建築 京町家って評価じゃないんだと言う人が居たね。 内田:はははは ちゃんと説明が出来るといいですね 佐藤:ボロボロになってしまうよりは外国人にだって京都の建築評価され再生されるんだったらいいか、と今まで俺も思ってたんだけど、内田さんの話を聞いたら、古建築の良さを半分も見て分かってなかったかも。町家を理解したことに成ってなかったなと。 内田康博的視線でいえば不動産に群がる人人は京町家を解ってないのではないか、という疑念が浮かびました 内田:たぶん全然解ってない。 佐藤:全然解ってないけど再生した、させたよと言う。 内田:そう考えると、楽しいんです。はははは 佐藤:俺しか知らないよ ふふふふと 変な楽しみ方だけど 内田:俺しか知らないわけじゃないけど はははは 佐藤:色々食べてお腹いっぱいになってきたね 内田:そうですね けっこうお腹いっぱいになりましたね。たまに誰も居ないときに一人で来る、そのときはこれだけでお腹いっぱいです ふふふふ お好み焼きを食べている ふたり 佐藤:加嶋さんに会っているの 内田:ぜんぜん。そこら辺に住んでいるみたい ふふふふ 裏の通りぐらいに 佐藤:あ、そうなんだ 内田:すぐそこですよ 佐藤:摂南大学で先生ですよ、 内田:電話してみましょうか 居るかも知れない。 佐藤:電話番号知らないよ 内田:電話したことなかなー 佐藤:フェースブックで発信すると伝わるよ加嶋先生とお互いフォーローしているから。 内田:加嶋君に会いたいなーと思いながら。 佐藤:二人とも知っているしね 誘わなければもったいないよ 内田:うーん電話番号わかんないなー 住所わかるけどすぐそこ 佐藤:電話番号がわらないときはフェースブックを使って加嶋先生の所にメッセージ入れればいいんですよ 入れてみましょうか 内田:はい 佐藤:加嶋さんて 山がついてる島だよね 内田:はい。 佐藤:これだな メッセージ発信! ふふふふ 内田:ははは 待っているよーって その03へ |
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