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 質疑応答 

 177(女性)
 



 よろしくお願いします。防災地区ターザン計画、吉阪隆正にみるスキのある建築の研究です。

 産業革命があり、効率が求められた合理的な世界が広がりつつある日々に、私はスキを生み出したいと思いました。



 それは人と人との関係で足りない部分を担い合うことで、人が近くなる、そんな現象が人と建築の間で起きればいいと思いました。

 お願いします。あれ・・戻ってください。あ、すみません。

 スキを建築的に考えてみると、それは吉阪隆正にあると思いました。押し出しが分かる取っ手や、階段・・・、



 あれ・・・。(映像調整が悪い会場・・)押し引きが分かる取っ手や、階段下の色ガラスは、スキを建築行動的視覚的に人の感覚を刺激する、人のスキに、素材や動線、構造的に入り込んでいるように思いました。



つぎお願いします。次お願いします、次お願いします。

 吉阪の形についての考え方は二つあります。

 一つは、人間は非合理の関係で一杯であり、理性的にしか振舞えない窮屈な世界ではなく、一括して感性に、とても要求に応える必要があるということを

 二つ目は、いつでもその時の興奮を思い出せるように、物の形に託す必要があるということです。



次お願いします。

 私はこれを、合理的な世界の中では見つけることができないスキであり、広い非合理の世界の中で見つけださなければならないと感じました。



次お願いします

 提案をする敷地は東京都・谷中です。お願いします



この場所は、中央に谷があり、次お願いします。



東西に結ぶように坂があります。



 次お願いします。そこには猫や人が戯れるような路地や、たくさんの住民でにぎわう谷中銀座商店街、そして、生活感があふれ出ているるようなベランダや花壇があります。この人の目に留まる賑やかさや



 次お願いします。 この人の目に留まる賑やかさや、歩きたくなるような、小さなスケール感は、視覚的に、行動的に、人につけ入る見えないスキがありました。

 次お願いします、しかしこの場所は、墓地や坂が多く、道が狭いため、災害時のための防災センターを中心とした、防災計画が行われております



次お願いします。次お願いします

 これらは、道幅を広げて、準耐火建築物以上で、準耐火建築物以上のものを増やしており、これにより、町の中のスキを失われつつあると考えました。

 次お願いします。私はこの町を視察し、ヒアリングを行いました。これより防災計画が求められる一方で、個人的な悩みには欲求があることに気付きました。

 次お願いします。そこで私はこの町に提案するのは防災計画と共にスキを形づくる、防災地区ターザン計画です。

 まず整備計画区域の土地が低い地域を三つに分け、その中心に一時避難場所となる、防災タワーを計画し、そして、災害拠点である、防災センターを再編します。



次お願いします。設計区域は中心の二か所です。次お願いします



 大きな提案として、防災時、土地の低い場所から高い場所へと避難する計画に基づき、田中家・防災タワーから谷中・防災センターまでターザンで繋ぎます。



 提案対象の一、防災計画です。この場所は一時避難できるような、屋上にターザン出発点を持った防災タワーであります。
 この地域に住む人は、災害時備蓄してあるプーリーを持ち出し、このタワーに集まります。上部に登るにつれ、広場が動線の中に混在し、それらが一時避難場所となります。

 次お願いします。屋上、一時避難場所が赤い部分で、動線が黒い部分になっており、一番上のターザンロープから防災センターへ繋がっています。



 次お願いします。提案対象一の敷地計画です。この場所は平常時はおばあちゃんと息子と孫のための住宅であり、子供たちが遊ぶ避難、遊ぶ場所の少ない谷中に公園のような機能を持たせました。



 次お願いします。提案対象2の防災計画です、すみません次お願いします

 この場所は三つの防災タワーからのターザン到着地点であり、周辺の人が高い場所に避難するための大階段がある、ターザン到着地点から、大階段を登った先から墓地へと避難できます。



 次お願いします。そして内部空間は三つに用途に分けられて、災害時に機能します。一つは青い部分の消防施設、二つ目は赤い部分の調理施設、三つめは黄色い部分の備蓄設備からなり、それぞれ、青赤黄の信号カラーを持たせました。



 次お願いします。この場所のスキ計画です。次お願いします

 既存の防災センターの機能をそのまま利用し、図書館区役所分室、児童館、ホール、調理室、和室 トレーニングルームからなります。

 それぞれ動線を、誰もが利用する、図書館で繋ぎ感覚的に人を刺激し、随所に子供の遊びたくなるような、スキのある構造を持たせました。

 形や構造に異論はないかも知れないんですけど、建築というのは、建築や町というのは、人に感覚的に入り込むスキが私は必要だと思いました。



この後にも少し続くんですけど、以上で終わります。

お願いします. (6:31)





 質疑応答

:スキを建築化するっていうのは、具体的に、どこをどういうふうに作ったのか、教えてください

177:例えばこの場所は、一番平常時に子供たちが使っていて、それは児童館っていうのが在ったり。お婆ちゃんが利用するような、トレーニング施設や和室なども在るんですけど。子供たちが使う所に、部分に対して前に在った既存のものは応えてないような気がしていて。私はここだったらジャングルジムというのを構造体にして、そのジャングルジムを用いて児童館に入れる。ふふふふ。構造を持たして。
 例えばこの黄色い扉なんですけど、これは非常時に黄色い注意信号となるような、目安となる入口なんですけど、平常時は子供たちがこのドアを目掛けて走って行けるような部分、そういう構造を持たせるっていう事ですね。



門脇:その言語って要するに吉阪隆正に何か関係するの。

177:吉阪隆正はスキという言葉は、はっきりは言ってなくって。でも吉阪隆正がその不思議な建築を造っているように感じて。その特徴ある建築というのは、吉阪隆正さんは何か見えないスキのようなものを捉えていて、それを形作っているのではないかなー、というのが私の仮説です

門脇:で、分かるんだけど。手順として吉阪隆正の建築からスキの要素を抽出して、それを防災的に読み替えて、平常時はそれがスキを発揮するだろうと。そういう手順ですか

177:そうです


五十嵐:そのねー。何秒かかるの、そこからスタートして、そこに辿り着くまで。

177:秒では考えて無いですけど。200m

五十嵐:200m、例えばさー、そのスタート地点、一番上まで階段で登らなきゃいけないんだよね

177:はいそうです

五十嵐:それ、駆け上がるまで何秒ぐらい掛るだろう。

177:駆け上がる、というよりかは、この建物内に一時避難する事で、一回ちょっと避難できる、っていう。

五十嵐:移動手段ということ、ターザンは。

177:そうですね。避難して、この場所の建物内にとにかく階段を用いて入ってもらって。一番上に到着した人から、どんどん一番防災拠点である谷中センターまでターザンを用いて移動する、というものです。

五十嵐:200mだったら全力で走ったら、何秒だろうとか、思ったの

177:全力で走るっていうのも、たぶんこの町の人は元々その計画があると思うですけど。お婆ちゃんが多い町だから、全力走はできないことがあったり

五十嵐:じゃー、それさー。一か所じゃ拙いじゃない。もっとたくさん

177:一応、本当は、三か所この地域に造って。ここを持ち出してここの部分だけを設計しているんですけど。

五十嵐;だから、そういうのちゃんとやんないと。ただふざけている人なんじゃないかって見えちゃう訳だよ。本当は凄い深刻な問題をやっている訳じゃない、逃げるっていうのさー。で、走った方が早いんじゃないのかーって見えるものに対して、こんな事をやるかと。ぶら下がる道具ってどうなるわけ。こっまでぶら下がって来て、それでどうやて向こうに戻すの、大量に有るの。

177:戻す必要は無くって、この町の人は防災訓練というのがあって。一人一台家に持っていて。避難。

五十嵐:それを持って来るんだ

177:持って行くっていうふうに。年に三回ぐらい数回ある防災訓練がその町が防災の町であるっていうのを、この何だろう。そういうふうに、形づくっていく事が凄く重要なのではないかと思っていて。


赤松:何かその、広域的に、ここの場所に対してどのぐらいの。要するに地盤のレベル差があって、要するに谷中って凄く低くなっているから、とにかく高い所に向かって逃げる。ただその距離に対して、どのエリアの人たちは、ここに逃げ込んで、そこから渡って来るみたいな、広域的な、きちんとした、そういう計画のもとに、そういうふうに塔が建っていて。で、最終的にはそこに集まって来るんだよっていう一枚は作ってないの。

177:具体的には無いんですけど。パワーポイントの方で、何個か戻っていただけないですかね。

赤松:避難て、そういうエリアの広域的な、やっぱり部分から導きだされているっていうところを、きちんと見せないと、やっぱ説得力が出てこないよね

177:これですね。この地域・谷中の整備地域というのをこの三つに分けていて、上の方の地域の人、真ん中の地域の人、下の方の地域の人っていう、具体的ではないんですけど。


五十嵐:ちなみにお婆ちゃん、これ落ったら、どうするの。

177:そういうのは、それはたぶん私が考える事ではなくって、これを実際的にやるときに考える事かなーと思うんですけど。これは、ちゃんとそのプーリーであるものに、ちゃんと巻き付けるような形で、安全かつ丁寧に行っていただけないかなーと思っています。
 この町の、防災計画であると共に、この町の木密、この町の一番美しいとされている、木密の部分を守る事が必要だと思っていて。
 今のある計画はこの路地を広げたり、建物を木造の建物を密集させたり、そういう、なんだろう、景観的ななものが損なわれる中で、でも私は、そこは失いたくない。だからこの防災地区ターザン計画っていうのが、両方を兼ね備えたものになっているんではないか、と思いました。


青木:プレゼンテーションの中でね、展示で観ると、ターザンの絵が凄く大きいじゃない、あれはどういう意味。あれが一番大きいのは何でなの

177:ターザンが一番大きいのは、たぶんターザンが避難する道具っていう部分になっていて。子供たちが普段はこのターザンを用いて児童館に行ったりする事が出来る遊具となっているっていう面で、この防災面と、平常時の部分を、両方捉えているものであるから、ターザンを一番大きく見せているんだと思います



司会:この絵が審査員の先生方が気に入っていて、話題になったんですけど。

門脇:解説すると。177さんは非常に建物を設計しているのに、パネルにこの絵しか載ってないんですよ。これはどういうことだろうと、思ったら。つまり。今色々建物を設計するときに最終的には人間力である。人間力を凄く信頼している事の現れなんじゃないか、というふうに想ったんですね。

177:ありがとうございます

門脇:で、話を聞いていると確かに人力バリアフリーっていうか。何か色々技術は発達してないんだけども、お婆ちゃんの脚力に賭けるみたいな。そういうところがあって。スキがあっていいなーと思いまいしたけど。人間を信じている事でよろしいでしょうか

177:はい。信じてます。

司会:今のプレゼンテーションありがとうございました。みなさん拍手をお願いします

 会場 パチパチパチ

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