ヤノベケンジ入門 文字お越し集   2018年 作成 
 2003年 動画) 誇大妄想の都へ 文字お起し04

ナレーション:展覧会まであと一月。ぎりぎりまで美術館側との交渉が続きます。

ヤノベ:どうしようもない値段とかなったらどないなの
学芸員:どうしようもない値段なったら、展示プラン変えなしょうがないですね〜
ヤノベ:それじゃーあれか、見積もりが出てから分るっていう事か。
学芸員:見積もりが出てから分るというよりも、もうこの時期こんだけ膨らんで来たらそうですね
ヤノベ:へへへへへ。膨らんできてるかなー。
学芸員;電気の配線だけで凄い量やし、

ヤノベ;やっぱり現場でストレスのないように,、ある程度造作物というか、展示作品以外のものは、そういう人にやってもらわないと、結構大変やと思うな。目が行き届けへんから。とんでもない展覧会になってしもうたなー。ははははは

学芸員:作品に関しては基本的には絶対譲らないです。それはどんな作家さんにも言える事だと思うのですけれど。実際に作品を展示するに当たっても、色々な美術館の中でやることですので制約があったりする中でも、最大限制約に縛られないで出来る限り作品のコンセプトを十全に伝えれるように、やるということでが頑として譲らない人ですので。


聞き手:なにがどうなったら失敗なの

ヤノベ:それは自分が負けてしまう場合でしょうね。自分が満足いかない処で妥協してしまうとか。諦めてしまうとかでしょうね。


ヤノベ:シビアな話すると、35万円ぐらい、僕が自腹切ることを考えないと無理ということですよね。美術館からも全然でないんですよ。
聞き手:もうだいぶ持ち出しが、
ヤノベ:相当。もー製作費も、一銭も出ないし。ギャラも出ない展覧会なんだけど、この機会はもう二度とない。来年美術館潰れるし、今たくさんの作品が集める機会というのは今しか無い。この千載一遇の運命的な機会というのを、みすみす逃すわけにはいかないから、出来る限りの事はしたい。

聞き手;この展覧会に賭けてらっしゃるわけですね
ヤノベ;賭けるというか、楽しいから、うん。これを賭けるとか、そんな責任感、責任をしょい込んだようなものじゃなくて、楽しいからやるだけ。面白いから、うん、賭けるとかそんなだいそれたもんじゃない。凄い楽しいから、やるだけ、やれるだけやるだけ。







ナレーション:ヤノベさんが過去に手掛けてきた作品が美術館に集まり始めました。未来の廃墟に迷い込んだ体験をもとに、妄想の翼を広げながら生み出して来た、作品がその出発地点へと戻ってきます。

職人:できるだけ奥へあててな

ヤノベ:線路はつづくよいつまでも口笛。

ナレーション:
解体撤去されてしまったエキスポタワー。しかしヤノベさんの作品の中で再び命を得て、新しい未来に生き続けます。
ありったけの妄想が詰め込まれた空間。美術館の展示室が、妄想から生まれた、一つの町へと姿を変え、訪れる人を待ちます。

オヤジ:大阪万博は何年前やったかなー
トらやん:1970年、
オヤジ;お1970年ゆうと、今年は2003年やから、な。33年前やな。
トらやん:そないなりますかな、こんにちは、ヤノベケンジの展覧会観に来まいした、ええ作品あるか

息子:おとうちゃん
ヤノベ:へへへ
息子:おとうちゃん、おとうちゃんおとうちゃん、探してたの
ヤノベ:さがしてたの、おじいちゃんと一緒にいときな、お父ちゃんお仕事からな、見ていてな。これ乗って運転するよ見といてな



ナレーション:ヤノベさんの妄想都市を訪れた人は作品をただ見るだけではなく、触れる、動かす、入るといった生身の体験を通して、また人それぞれに妄想を膨らませまていきます。

聞き手:中に入られてどんな感じですか
女性:不思議な空間でした。よかったですね、体験出来て。
ナレーション:見知らぬ世界への旅立ち。生まれ変われる自分、妄想を呼び起こすスイッチが入りました。



ヤノベ:見ててどうでしたか。
男性;絵になってました
ヤノベ:絵になってましたか、阿保ですよね。はははは。阿保ですよね。絶対。阿保やと思うわ。

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