HOME     文責・作成・佐藤敏宏         佐藤敏宏の京都ことば悦覧録 2017年1月27日から2月2日
ことば悦覧録

    
 
細尾直久さんに聞く 2017年2月02日京都市内にて
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 その6 

細尾:イタリアでは実施図面とかでもボスがいましたから、収まりのパターンこれでやってと、それを応用しているだけやったけど。自分自身で実施のアイディアから考えて組立てていくトレーニングもしてなかったし。

その辺は日本に帰ってからですね  

佐藤:1級建築士はすぐ受けられたんですか

細尾:近畿大学に居るときに、履修科目がどうやこうやで、大学側が必修でとってくださいみたいなシステムが変更になったときに僕は居たんです。履修してましたね。 実務経験はイタリアのものが換算になるので。

学科は一発で受かったんですけど。製図が落ちて落ちて製図の解き方って特殊じゃないですか。慣れるのに時間かかっちゃって。製図は3回目に受かったんです。製図は2度落ちてますね

佐藤:おめでとうございました

細尾:1年半前に受かってその後は共同で旅館とか設計施工で現場に張り付いてやってました、それで覚えましたね。躯体構造はゼネコンにお願いするけど、造作とかもろもろのものは分離発注で自分たちの手で造ろうと。現場が自分たちのものになっていたから、

佐藤:自前で工事してと コストが下がるからね

細尾2000uぐらいの旅館でしたね、鉄骨造で5階建かな。設計はお手伝いさしてもらった。頭でっかちから脱する いい機会だったので。
佐藤:日本での実務を体験すると

細尾:こっちも何が欲しいかは明確なので身には入りますよね。ハイデガーはどうでもよくなるし 

佐藤:建築の実務は山ほどすることがあるからねー 旅館の工事はお客さんが入る日が決められるので竣工日はきちんと守らないといけないでしょうしね

細尾けつが決まっていたので、工期は押しますよねー。分離発注とかで職人さん来てはって、喧嘩とかし始めはるし、 勉強になりました

佐藤:ははははは 間に合った

細尾徹夜で張り付いて間に合わせましたけどね

佐藤:完了検査、消防の検査、保健所の検査など通して終わりとご苦労さまでした

細尾まるまる2年ぐらいかかりました。設計事務所の看板あげたのは2015年ぐらいからだったかな。今は自分が主体がメーインです。今は98%自分の事務所の仕事ですね 今頑張っている物件は工事中です



実家の会社の仕事なんですよ。だから自由度が高いっていうのもあるんですけど。中京の町中の路地があるんですね。5軒長屋の一角を改修して、一棟貸のホテルと会社の扱っている物のショールーム。VIPのお客さんとか来られた時に泊める滞在の場所を今作っているんですね。

昔ながらの町家の風景が繋がっているんですけど。外観は町並みの伝統性みたいなのをしっかり踏襲して。

内は土壁とか、元々ある 既存の材料を再編成して、現代やけど未来だけども過去っぽいよう建築を作ろうと。

今工事中です。

路地奥で暗いんですよ。庭ありますけど。一軒家で周りが平屋でないんで採光が限られるんです。考えていることは限られた光をどう利用するかがテーマでやってて。

土壁って色んな質感がありますよね。自然の色で経年変化していくから。



西陣織の生地なんですけど、薪能とかで暗い所でキラッキラッと光る生地なんです。それを間地切壁とか反射板みたいな感じで挿入してやって。光が反射して。空間を作るっていうプロジェクトなんです

路地なんで一発で見通せないんですよ。バラバラな知覚みたいなものを事後的に統合させ、場所性みたいな空間を感じさせるというのがテーマです

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