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福島第一原子力発電所の事故によって起きている様々な問題を勉強し始めました 勉強過程の記録をつくってみますご活用ください
福島県における水産物放射能汚染現状対応 
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五十嵐:みなさんおばんでございます

会場 おばんでございます

福島県水産試験場の五十嵐ともうします。なかなかこういう機会、話す機会をあたえて頂きまして本当にありがとうございます。今 海の中のこと、魚のことどういうふうになっているのか、非常に不安だ、情報がない。っていう話しをよく消費者の方から言われます。

わたしども調査をやって、その結果については水産試験場のHPには常にアップ、最新のデータアップしているんですけれども。なかなか水産試験場のHPの情報発信力が弱くってですね、皆さんに見ていただけない。

こういう機会を私たちも望んでおりました。今日は 1時間ぐらい話させていただきたいと思います。

原発の事故から1年10ヶ月になりますけれども。この間、福島県の沿岸漁業はまだ自粛したままです。まだ再開できておりません。

私ども水産試験場は漁業があっての調査機関ですので、今までやって、通常業務がほとんどできなくなりました。放射能については私どもはまったく今で扱ったことが無いです。素人でした。で、本当に手探りで調査を行ってきました。この1年10ヶ月の間、色んな調査に携わって来まして。おぼろげながら分かってきたこともございます。まだ分からないことの方が多いですけれども。それらの分かって来たことを頼りに少しでも前へ進んでいきたいと。漁業関係者みんなの願いでございます。でそういう今の状況も合わせて今日お話したいというふうに思います。



今日の話す中身ですけれども。まず最初水産試験場をちょっと紹介させていただきまして、いままでやって来た、魚、魚介類のモニタリングの結果について。それから、海水とか海底の泥の中の放射性セシウムのモニタリングの状況について。

で、このモニタリングとは別に私ども独自で行っております、試験研究の取り組みの中から、魚が餌として食べている生きのの調査結果について。それから魚の通常モニタリングで使っているのは魚の筋肉。食べる部分っていうことで筋肉を分析しているんですけれども。筋肉以外の色んな内臓とか、色んな場所別の調査結果について

でこれらの今までの結果を踏まえたうえで、今、昨年の6月からですかね。一部漁業者による今 試験操業というのが始まりました。その試験操業の取り組みを紹介したいと思います。 4:20 最後に今私ども考えているこれからの課題についてお話いしたというふうに思います。


自己紹介

最初に私の自己紹介ですけれども。私は出身は北海道のオフォーツク沿岸の小さな町です。この湧別という所です。北大の水産学部卒業して現在59才です。もうすぐ定年だよと。いうところです。

私が行ってきた研究のテーマは底生生物 海底の泥の中にいる生き物。あとはこういうカレイ類の食性ですね。何を食べているか。いうようなことを主に研究テーマとしてきました。

ただ県の職員ですんで、ずーっと水産試験場にいる、いたわけじゃございませんで、色んな所を転勤して歩いておりました。で水産事務所とか水産課にもいまして、今水産試験場3年目でございます。 5:30 


水産試験場ですけれども水産試験場というのは今から110年前明治35年に出来た組織でございます。現在研究員が22名、船舶職員18名合計で45名の組織です。

 これが水産試験場の本場でかなり古い建物で、水産試験場って全国にあるんですけれども。全国で2番目に古い水産試験場です
調査船が2隻と取締船が一隻あります。これが大きい方の調査船でこの前の震災で津波で沈没しました。下が小さい方の調査船です。

現在この調査船ともう一隻 国機関から借りてきた調査船の2隻で調査を行っております。

水産試験場の今でどういうことをやって来たか?6:20 これは市場ですけれども、市場に行って魚を測ってどうすれば乱獲にならないで永く魚を利用できるかとか。

あるいは栽培漁業部っていう所ではそれこそ人工の種苗をつくって放流していつどの場所にどの位のサイズの稚魚を放流すれば一番効率的かとか。そういうような調査を、通常業務としてやってい来てました。

現在は全てにおいて放射性物質関連の調査研究というのがどこの部であってもメインとならざるを得ない状況にあります。

水産関係の試験研究機関ですけれども。水産試験場はいわき市の小名浜、ここにあります 7:31

私どもの担当は海の方です。内陸の内水面の川や湖の調査というのは猪苗代にある内水面水産試験場という所で行っております。今日の話は内陸の方の魚の話しでなくって、海の方の魚の話しになります。

水産試験場、海の方には水産試験場と 試場ですね相馬市場というのが松川浦の近くに在ります。これが第一原発ですけれども第一原発のすぐ近くに水産種苗研究所って、これ種苗、種苗生産に特化した研究所ですけれども。水産種苗研究所がありました。現在は被災して、組織も含めてここは無くなっております。


これは相馬試場にいた職員が相馬に来た津波の状況を 写真にした撮ったものです。これ松川浦大橋みなさん行ったことあると思うんですけれど。松川浦大橋に津波が来たときの状況で。ここ確か10数m。17,8mはあるんだと思うですけれども。もう橋桁近くまで波が

これが相馬試場で、ここにかすかに相馬試場 完全に水没してしまいました。で被災の後の相馬試験場の状況です。ただ骨組みっていうか柱が残ったんで、現在残った柱を活かして修繕工事を今行っております


 

ここから本題にはいります。まずは魚介類のモニタリングですどのようにやっているかと、いうことですけれども。

まず県の調査船では同じ地点で定期的な調査というのを行っております。魚介類を捕って来てそれを検査する。

調査船は魚を捕るのはヘタです。魚を捕るのは圧倒的に漁船の方が上手。ほとんどの魚の、検査する魚は漁船が捕ってきたものを水産試験場に持って来てもらったり、こちらから取りにいったりして、そのサンプルを使って検査を行っております。

今、毎週150検体ほど検査をしております。水産試験場に持って来てもらった魚は全て測定します。何pのもので体重がどのぐらいあって、何歳のもので雄か雌か。何を食べて、という検査をした後、前処理をします。

 前処理をしたものを郡山の県の農業総合センターに持っていきまして、そこで一括モニタリングの検体の検査を行っております。結果は水曜日の夜に公表しまして、木曜日の新聞、民報、民友には結果が掲載されます。

それと同時に水産試験場のHPに見やすいかたちで掲載をしております 

これは細かくって見づらいと思うのですが。これは10月17日公表したやつなんですけども。

どこの場所で捕ったものが、捕った魚種が何ベクレルであったか?捕った地点とその数値が分かるようになっています。これも赤く、っていうか紫色で塗ってるのが、今基準値であります、100ベクレルを越えた検体です。この頃はだいたいこの位の比率です。150位の検体の中で1割程度が100ベクレルを越えているような状況です。

検体はかなり県全域の広い範囲から捕るようにしておりますが、私ども一貫して一番危なそうな魚を検査するっていう考え方で来ています。段々どういうメカニズムであるかというのが分かってきて。どの魚が一番濃度が高そうだっていうのもだいたい分かって来ております。 一番濃度が高そうな検体っていうのは欠かさず検査をするようにしております。

今まで検査を行った魚の数ですけれども。去年の4月からこれは去年の12月の、先月の12日までの数字ですが。

魚の種類で、172種。172の魚種っていうのは通常大きな市場で水揚げされる、例えば相馬原釜っていう大きな市場が在るんですけれども。そこで水揚げされてる魚の種類、だいたい100〜120ぐらいです。ですから季節によって変わりますんで。172魚種が、福島県で水揚げされるほぼ全ての魚種を検査しています

172種検査をしまして、内100ベクレルを越えたことがある魚種っていうのが72種です

検体の数で7300検査しまして100ベクレルを超えたものが1700弱。でこの比率は近頃は少し少なく100ベクレルを越えている検体の比率は少し低くなって来ております。

ただ現在、国から出荷制限この魚を出荷しちゃだめですよという指示が出ている魚種が40魚種あります。 



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