HOME  作成 佐藤敏宏 
2018年3月12日晴れ 13時〜仙台駅傍の通路上      
聞き語り記録 
SDL2018出品者 須藤悠果さんに聞き語る
 01 02 03 04 05 06



05 キモカワイ建築
   ミネルバの梟語りじゃね



 05 

■ キモカワイ建築

佐藤:造形の出来具合はどうでしたか
須藤:やればやるほどシンプルになると思って、考えれば考えるほどシンプルになると。それが足りなかったんです、時間的にも

佐藤:俺がグタグタ言ってしまったからじゃないの、それを早く言ってくれよ
須藤本当はそうしたかったなーと思います。審査員の目にも付かない理由もたぶんそう。シンプルであればあるほど、迫力があると想うので。



佐藤:政教分離のたてまえの国で〜新宗教と建築の融合建築を創りだそうとすると。その困難を抱えることはないように思いますが。
須藤情報過多ってすごい言われます
佐藤:過多というよりは未整理のまま出しただけ。私的な興味をてんこ盛りにして出してしまっただけだ。それでも35選に残ったり、審査委員長に推されたりと、素晴らしいじゃない
須藤はははは逆に言えばそうですね

佐藤:今、目の前のパソコンの画面をちょっと見ての感想ですけどね。リアルの場で造られる建築は卒業設計とは別の位相での事態だから。
 卒業設計の思いが突き抜けて、他者に伝わるようになって、須藤ファンが現れ実建築の設計依頼者になるので・・最初の段階で、どこから建築をつくりだせるのか、難問が待ち構えてますね。
 現実の建築に落とし込む必要があるときは、他者との交流によって、今ある未整理で情報過多の部分は、そぎ落とされる可能性はある。他力本願で須藤建築の開花っこともね。予算が少ないことで、自分の思考が研ぎ澄まされざるを得ない場合もある。年を重ねたりすることで力が抜けて、よい建築に達することもある。どの道も須藤さんが自分で発見するしか術はない。俺が付いて歩くわけにはいかないし

須藤教えて欲しい ふふふふ


ミネルバの梟 語りじゃね

佐藤:考えるだけでは哲学だから、模型や言葉になって須藤さんの建築的思想が外部化され、そこで他者に伝わる可能性が生まれる。模型でもなんでも作り続けるってことかな。須藤産の、きも可愛い模型やグッツが売れちゃって、億万長者になって実建築がつくれちゃうかも〜、どちの道からスターとしてもいいんじゃない。
 建築だけに拘り続けないで遠回りして、病を因を大切にして生きれば、違う領域で普遍化して大衆化をめざすとか。日本人全員が須藤さんのキモカワイ・グッツを身に着けてたら大金持ちになるよ。

 建築だけに落とし込もうとすると、閉塞的になるので、色々展開ありそうだけどな。それは私にも分かりません。

 未整理の須藤作品をみて取り付く糸口が無いかも、審査員はよく頑張ったねぐらしか声を掛けらなない。

須藤:本当に未整理だってこともあるので、凄い弱さが解りました はははは たしかにー。
佐藤:欲望がてんこ盛りあるってことだから、いいんじゃない
須藤ここで終わりとは思ってないので、このあと実行すればいいけど。もっと出来たなーって思っちゃいます

佐藤:いつも、いつでも、終わってから解る。だから進行中は分かり得ない。解ってしまっている事態を、若い時分だからこそ、それを再現するんだよね。終わっている結果を何度も、なぞることになってしまうから。
 自分は到底分からない領域に、一歩踏み出して進むことによって終わったら語れる、結果が出た後だから、すらすらと語りだせるミネルバの梟状態なので語れるからね。
 スムーズな語りは後語りさ〜・・と想って、偉い先生の講義を受け止める学生であればいい。未知の領域に入り、手がかりが無くても進むこと、を躊躇しない学生になれれば、いいのよ。お前の成功譚は全て済んでるから語れる、作り話だってことですよ。既に終わっている媒体を見続けて、理想と勘違いする学生さんがゴロゴロでしょうかね

須藤そうか
佐藤:自分が新しい領域に入っているといは、何をしているのか分からない、伝えられない、そのもどかしい状況が下りてきたら、自分は新天地に立っていると励ませばいいだけだ。勘違いでも、それがよき振る舞いへの道の入口でしょう。
 言葉先行の建築家jだと、既存の言葉の牢獄に囚われてしまので、未知の建築には到達できない可能性がある。
 語れないと伝わらないから、語りだすと自らの言葉の牢獄に拘束されちゃう、なかなかの難問です。自分でもがいてください

須藤:今回の卒業制作では、私も言葉の呪縛にやられた気がします自分で説明しようとして先に定義しちゃったからその中でしか建築が到達できなかったんだと

佐藤:俺が聞くことは須藤さんにとって好いこと言ったかな〜
須藤はははは凄いすっきりしました。ふふふふ

佐藤:須藤さんは卒業設計に関して、ミネルバの梟語りで取り組んでしまっていたと。そこが明かされました。言葉が出来ていた、それは完了していたってことなる。 ミネルバの梟語りができないと自覚したならば、まだ未完了かもです。


 その06へ続く