石川初さんに聞く 2021年5月8日午後15〜  01  02 03 04 05 06
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■ 仕舞いはじめる

石川:今、楽しいですよ
佐藤:「町を喰う」という活動はどうですか。
石川いただきますプロジェクトですね、最近、会食ができないので。ふふふふ
佐藤:そうか、そうか、新コロナ時代はできないか、なるほど。そうすると授業はぜんぶオンライン。
石川:オンラインです。

佐藤:もう2時間すぎました、皆さん質問ないですか、最後は閉めますけど質問ありましたらどうぞ。これは全部文字にしますからどうぞ。
石川:日埜さんいらっしゃましたよ。
日埜:こんにちは。
佐藤:日埜さんどうぞ こんにちは、ようこそいらっしゃってくださいました、しょうもないことを。
日埜:こんにちは。
佐藤:本を出されたようでおめでとうございます。
石川:日埜さん今どこにいらっしゃるんですか。
日埜:事務所です。
石川:それは事務所ですか。
日埜:はい。
石川:事務所はまだ赤坂ですか。
 ・・・・・音声聞き取れず




絵landwark book2 より
■  質疑応答 博士への路

中村:いいですか、細かいことですけども、石川さんドクター論文とられたということで、修士はいつとられたんですか。
石川:修士はとってないです。
中村:とってない。
石川:飛び級です。
中村:そういう、ことってあるんですか。
石川:「論文博士」と言って、条件と資格の審査がありますが、それに合格すると論文だけ出すことができるんですよ。それでとりました。
中村:それは学校を問わず。
石川:大学によって条件は違いますけどあります。
中村:そうなんですか。

石川:論文博士は「博士課程を修了した人と同等の学力があるかどうかが審査される」ということになっていて、その審査に必要な要件にいくつかメニューがあって。そのひとつに、それなりの出版社から単著が二冊以上でている、っていう基準メニューがあるんですよ。大学に着任すると、いろいろアドバイスくれたり面倒を見てくれるメンターの先生がいるんですけど、俺のメンターは加藤文俊さんと、同じランドスケープの分野の一ノ瀬さんという先生で。加藤さんに最初からいろいろと相談に乗っていただいて。そのときは単著としては『ランドスケールブック』しか出てなかったから、まずは「先に本を書かなきゃ〜」という話になって。それで『思考としてのランドスケープ』書いたんです。

中村:それで順序が。
石川:それで順序が逆になっているんですよ。最初に本を書かざるを得なくって、本に着手したんです。『ランドスケールブック』でお世話になった編集の飯尾さんから、「また次の単著を」って話を頂いてて、「ちょっと、今そんな余裕ない」みたいな感じでいた。何回か、声を掛けてくださったんだけど、お断りしてたんですよ。「もうすこし後にしたいんです」っていう、だけど着任して、5年以内に博士論文出さなきゃいけない話になって、あっとういうまに1年経っちゃった、授業の準備してたら1年経っちゃったですね。
中村:そうですよね。
石川:「博士論文の準備しなきゃ〜」みたいになって。飯尾さんに電話して「済みません、去年の12月ごろいただいてた単著の話なんですけど」 。
中村:あれまだ生きてますかみたいな。

石川:そうそう「あれ、まだいいでしょうか。本の出版って」。出版社に企画を通さないといけないし、色々と大変なんですけど。「ぜひやりましょう」みたいな話してくださって。
中村:よかったですね。
石川:本のネタがあらかじめあるわけじゃないんですけど普通は。というのは「10+1」で俺、連載していたですよ、実は。
中村:おーー。
石川:3回書いていたんですよ。「地上にて」っていう。毎回、12000字ぐらいのエッセイを書いていたんです。
佐藤:長いね。
石川:けっこう気合い入れて書いてたんですよ。連載は面白かったんです、たいへんだったけど。そしたら50号で終わりになっちゃったじゃないですか。
中村:うんうん。
石川:で、一応LIXIL出版からは「WEBでも続けませんか」とオファーもらったんだけど。大変だったので、「いやもういいです」と言って断ったというか、終わりにしてもらったんですね。
もともと連載を企画してくださってたのがそのときメディアデザインの編集の飯尾さんで、「これ、ゆくゆくは本にしましょう」という話で、連載を始めたんだけど、そんなふうに立ち消えになっちゃったので、いつかリベンジしたいと思ってくださっていたんですよ、飯尾さんが。 それで「石川さん3章分は書けているいるし、あと3章分ぐらい出して、それではじめと終わりを書けばいけますよ」みたいな、凄い励ましてくださって。それで「よっしゃー、それでー」みたいな感じで。でもいざ書く段になってあらためて「10+1」時代の原稿を見たら10年経っているから、古いんですよ。俺の当時との温度差もあるし 。
中村:そうですよね、そういうもんですよね。





絵landwark book 2 より



絵landwark book 2 より





■ 書き直す

石川
:ほぼ書き直しみたいな感じだったです、8章。凄い大変でした「こんなはずじゃなかった」みたいな。1年くらいで執筆して出版される計画だったんですけど、予定が延びまくって、結局出たのは1年半後でした。
中村:そこから、ドクター論文だと、また大変じゃないですか。

石川:大変でした。あまりにね大変だったので、今日聞きにきてくれているNさんは、これから博士課程をめざすことを考えてるんですけど、俺の博士論文の執筆の大変な記憶が生々しいうちに「実録、石川の死にそうだった博士論文プロセス、トーク」みたいなのをやろうという話をしていて。
中村:ちゃんと実績がないとね、単著2冊出せてる人って、そうそう世の中に一杯いらっしゃるわけじゃないですから。
石川:まあ舐めていたわけではないけど、考えがすこし甘かったですね。はっきり言って。本が出たのは嬉しかったし、いろんなところで評価いただいてそれはよかったんですけど。まず何よりスケジュールが押しちゃって、博論の着手が遅れたのと、本を書いてからその内容を論文にまとめ直すつもりだったんだけど、最初に思ってた内容と違うものになっちゃったんです。それで論文の組み立てを考え直したりしたんです。 大学の仕事しながら執筆に着手して、なかなか進まなくて、体制を立て直そうと加藤さんが考えてくださって、あらためて主査を一ノ瀬さんにお願いすることになって、副査に加藤さん、早稲田の後藤先生、SFCの諏訪さんという先生にお願いすることになりました。この審査体制はとても良かったです。良かったですって俺が言うのもあれですが、この陣容で指導頂いて審査してもらったのは幸いでした。って論文の謝辞みたいなこと言ってますが。

佐藤
:そういう経過でも博論を提出した。おめでとうございます。

石川:ありがとうございます。学位の授与は2020年の4月なんですが、1月から3月まで、仕上げてたときはもう大学に住んでたんですよ。本当に文字通り。
1月に公聴会があったんだけど、公聴会って、Nさんさ〜、今、WEBで公開されるんだよ。来るわけ、色んな人が。本当の公聴会なの。俺の時はオメガ22でやったんだよ。色んな人が来てね、「ちょっとやめて〜」みたいな感じだったの。でも一応、仕事しているところ見せなきゃなーと思って妻も呼びましたけどね。

佐藤:それはいいね、さすがです。







 口頭試問 

石川
:公聴会が終わって、そのあと最終試験という、審査委員の先生方と面接で試験する、いわゆる口頭試問があって、でも俺の場合は1回目の試験が駄目だったんですよね。論文が未完成だったりして、いま思うと恥ずかしい話なんですけど。もう一度、仕上げる時間をいただいて大学泊まり込み生活を続けて、なんとか書き上げてまた試験を受けて、合格をいただいて提出したと。でも博士論文は提出後に大学院の研究科委員会で先生方全員の投票があって、それをパスしないと学位がもらえないんです。そこで不合格になることもたまーにあるので。提出してから結果が出るまで、数週間、生きた心地がしないんです。でもおかげさまで合格して。
中村:はらはらしたでしょうね。

石川:4月だともう春学期なので、9月の修了式で学位記をもらうんですよね。9月修了の論文博士の学生は少ないので、その代表で塾長に名前を呼んでもらいました。オンラインの中継の修了式でしたけどね。
佐藤:おめでとうございます。
石川:ありがとうございます
佐藤:今、博士号、博士論。文そこにありますか。

  • 博士(学術), 慶應義塾, 論文,

    ランドスケープ思考 ー思考法としての「ランドスケープ」の再定義ー

石川:博士号の学位記は研究室にありますね。任用通知はね、紙一枚で、どこいったかなー。ふふふふ。
佐藤:大切にとっててください。
石川:額にいれるようなものじゃないです。
佐藤:博士論文を僕に見えてくれませすか。

石川:はいPDFでありますよ。データおくります、ほぼテキスト・データだからそんなにないです。(データへ
日埜:俺も読みたいです。
石川:ははははは、やばいことになってきた〜。
佐藤:大学では公開してるのかな〜。
石川:されてますよたぶん。検索すれば様々リンクを潜り抜けて、どこかに到達するとは思いますよ。公開するもんだから 。ごついのになりました。
佐藤:あ〜・・拍手している こんなに厚いんんだ〜。

石川:ちょっと重いです、ちょっと大きめの字でしかも両面印刷じゃなくって、片面印刷にしたので
中村:おー
佐藤:読みながら絵も描けるんだ
石川:そうそう裏に落書きできるようになっています。D論なのによく観るとご近所の写真とか、色々、これD論みたいな。ふふふふふ 古墳の写真とかね


絵:石川初さんによるスケッチ・ブック表紙
 お仕舞い 

佐藤:なにしろ変わった博士が生まれたということで、素晴らしい。社会は変わりましたね。
石川:いやこれ本当に大変だったんですよ。

佐藤:今の質問で、だいたい抱負まで来ちゃったので。他にありますか、それで石川さん今年はゆっくり休んでくださいという感じですね。
石川:全然、休めないですね。
佐藤:新コロナで大学も大変ですか。
石川:大変です。
佐藤:大変さが詳しくわからないですけど。
石川:色々と、ままならないですね。ゼミはねー失速してますよ。
佐藤:オフ・ラインで、皆が集まっていろいろ活動を共有して体験して発見していくのがいい。
石川:それが、ほとんど8割ぐらいですよね。

佐藤:みんなで地形歩きができないとね。ネットを介して観ても、共有体験にはならいのでねー。とういうことで、こんな感じでいいでしょうか。石川さん本当にありがとうございました、全部文字にしてしまいます。
石川:はい。
佐藤:文字データにはしておきますので、少々お待ちください、またこんな事を企画しましので、皆さん参加してください。「こいつに聞け」もありましたらお知らせください。若い人でも面白そうな人がおりましたらメッセージなどで教えてください。よろしく願いします。
 今日の文字WEB頁と2004年の石川さん講義記録リメーク版は私のHPにあります。見てもらって、活用いしていただければと思います。
石川先生ますます楽しい人生を送ってください、僕も楽しみにしております。

石川:はははは、ありがとうございます。

佐藤:お互い新コロナ感染に注意していきましよう、今日はありがとうございました
 どうもありがとうございました。 失礼しまーす皆さんありがごうございましたさようならー どうやて終了するのかも分っていないと

石川:こっちがホストになっているので終わりにします。
佐藤:宜しくお願いします どうもありがとうございました。 

  一同、ありがとうございました  2:2950 












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最後まで読んでいただきありがとうございます これでお仕舞です
文責:佐藤敏宏     HOMEへ