HOME     文責・作成・佐藤敏宏         佐藤敏宏の京都ことば悦覧録 2017年1月27日から2月2日
ことば悦覧録

   
 
 山崎泰寛さん井口夏実さん 2017年1月29日京都市内にて
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その04

 聞き取り 中断し 家の周りを散歩していると 井口さん戻る

佐藤:では 続けていきましょう
井口ふふふふふ

佐藤:家をつくるにあたり 徹底的にこだわった家づくり それはプランなのかな どのあたりか説明してもらえますか

井口:この家を買って、買う前も凄くどこ買うのかずーっと探して。前の家に住みながら、前の家も気に入っていたけど、ちっちゃくなるし。

 もうちょっと広いいい家に住みたいとはずーっと言っていて。どこに住むかと言うことも含め。毎週不動産情報をみながら。古民家など見にいったりしたんですよ。



佐藤:編集の仕事もされていて、古民家が売りに出ていると、物件見に行くとしたら、休日を使っ
井口そう。土・日で
佐藤:息子さんはサッカーの練習に連れていかなければだし、時間をやりくりして。
井口:土曜日に不動産のチラシが入るじゃないですか。それ見て。掘り出し物がありそうな気がすると見に行く

佐藤:総額を決めていたんですか

井口
:まともな土地で、まともに買っていたらとてもお金ないし。そういう買い方は賢くなさそうな気がしたし、面白くないからね。掘り出し物のようなものを。古屋で安いのあるでしょう、そういうのを見ると観にいっていたんですよ、10年ぐらい。

で、2014年のお正月ぐらいかな、銀閣寺の山の上にトトロの家みたいなのね。岡の上に。階段のぼって行くと大きなお家があって。庭も凄く広いという家が在って。
 それに一目ぼれしちゃって。結局買えなかったんだけど。「やっぱりこの辺に住みたいなー」ってすごく思って。似たような家を探したいと思いながら、今度は検索ワードで毎日探し始めたんです

アットホームっていう不動産サイトがあるんですけどね。左京区 3000万以内 90u以上っていうワードで。半年ぐらい、毎朝毎晩探してて。そしたら8月の終わりぐらいにふっと出て2980万円だったかな。

佐藤:半年ぐらい毎朝、毎晩検索し続けて〜
井口バスの行き帰りの中で 必ず検索していた。それで出たので「これを見に行かなきゃー」と思って見に行って。その後は森田さんにも見てもらい、両親にも見てもらい、割と慎重に、再建築不可だったんで。ボロボロだったし。中はいい造りにはなっていくって 割と安っぽいというか。


 改修前の様子 井口さんFBより

佐藤:一つの棟を3軒の家で共有している形ですが、建物の所有権は壁でわかるでんすけれども、土地はどう所有されているんですか。
井口:アプローチの北側1/3ここが うちの敷地になっています。

佐藤:路地・通路が3mあるので1mの幅で旗竿形に自分の所有だと。旗竿型が3つ重なっているような在り方ですね。その土地と家で値が3000万以内でね
井口:まけてもらいましたけどね ふふっふふふ
佐藤:交渉上手でしょうからねふふふ。地形と周囲との関係もいいなと思いましたが

井口:それは父も、森田さんんもそう言ってました私は正直よく解ってなくって。このドン詰まりってどうなんだろうって。
佐藤:所有権状はどんづまりなんだけど、現地に立つとそれは消えて無いですよね。2階の居間はまるで1階でもあるかのように建っていて。

 まずこの古屋を手に入れたと。森田さんには前に住んでいた家も改修してもらっていたので、森田さんと。他の人も検討されたんですか

井口:前住んでいた家も直すってアイディアもあって進めていて。それはそれでね。引っ越さない場合はあの家を直そうと。それは別の建築家の人に頼んだんですよ。でもこの家を見た時と前の銀閣寺のお山ので見た家ね。その時は森田さんしかなかった。
佐藤:森田さんって凄い存在ですね。建築書籍の編集をされているから建築家をたくさん知ってるけど森田さんが浮上してしまったと。
 土地と家は決まりましたと。次に建築家との打ち合わせはどのように進んだんですか。井口さんと山崎さんが一緒にまず打ち合わせしてからじゃないと混乱しますよね

井口私と山崎さんは割と意見が合って、こだわったり、うるさいところはちょっとずつ違うけど、お互いに言っている事はよくわかる。森田さんのところは担当のKさんという方と二人でいつも来てくださって。月に1回ぐらいかな

佐藤:設計打ち合わせを続けるような、時間があったんですか
井口前の家が売れないと工事が始められないっていうのがあったので。始まるまでにはちょっと時間がかかりました。
佐藤:京都では近頃外人投資家が町家を買ってゲストハウスにかえ何軒もっているという話を聞かせられましたが そういう気はなかったと

井口ないない。ここの家は再建不可なので銀行のローンがつかなくって
佐藤:あ、そうなの
井口つかないです
佐藤:抵当権設定が難しんだな
井口:なので、3.9%とという高利貸から借りたんですよ。

佐藤:ゼロ、マイナス金利時代にあっては高金利だね
井口:2000万円、3.9%で35年かけて返したら、利子だけで1600万円んですよ。ふふふふ
佐藤:私は事業計画の仕事もしてましたけど、8%でも、家の公庫金利は5%ぐらいでも安いと思ったこともありました ふふふふ
井口:それは貯金してたときも利子が1割ぐらいついたでしょう
佐藤:10年複利で積むと倍になったとか、そうね 高かった

井口:そういう時代はいいんですけど。だから急いで前の家を売って、そのお金をまず返さなきゃって。そういう頭があって。売ったお金を3.9%の方に充てているんですね。それで頭を抱えていたのが約半年ぐらいふふふふ

佐藤:途中で息切れしないっていうエネルギーはどこから湧いてくるんですか
井口:今から思うと本当にねー、絶対立てたプラン通りに行かなきゃ絶対うまくいかないんだけど〜、それをやるしかないと思ってやる。

あの家を売ってこのローンを返して、別の銀行から改装用、お金を借りて来て。そっちは1.5%ぐらいなので、そっちを地道に返していくっていうプランなんですよはらはらしました

佐藤:なるほど
井口:もーう胃が痛かったです
佐藤ふふふふ
井口:8月ぐらいに売れたんです、1年後ぐらい。

佐藤:仕事を抱えながら、そんなハラハラドキドキしながら家を作ってしまったと、「作ってよかったー」思うでしょう。結果が手に入るまでは今日ここに至るようなゆったりした充足感は想像できないかったでしょうしね。

井口後戻りできなかったんで ふふふふふ。その時も3人目の子供も生まれて。仕事も復帰して
佐藤:タフすね。お腹に娘さんを抱えながら不動産探しと銭勘定してたんだね
井口:そうです


 工事中の窓辺に佇む父と娘 井口さんFBより 

佐藤:そりゃー凄いしっかりした娘さんになるね ふふふ。娘さんも不動産好きになるかもねー
井口なるかもねー、血が騒ぐんですよふふふふ

佐藤:井口さんの娘さんも不動産大好きになりそうですね
井口不動産投資家になるかしら ふふふふ
佐藤:なりそうだねー

井口:なにかねー掘り出し物じゃないか!という情報を見ると見に行かずにいられないんですふふふふ
佐藤:井口さんのお母さんに聞き取りしたときに、夏実さんがお腹の中にぷんぷくりんといて、そのお腹を抱えて、とにかく不動産探し回って、実家である豊中の共同住宅建てて家を手に入れたと お母さんも凄い力技ありですよね。夏実さんはお腹に中に居るときから不動産探し大好きな人だったなーと思い出しました ふふふ
井口そうかも知れないねー

佐藤:命のリレーの中で不思議がつながっているね。その面白さがも、ここにもありますね。お母さんとお父さんによる共同の家づくりの話も なかなか いい話ですよ。

で夏実さんがここに居る、 夏実さんここに至るは 妙に納得してしまいます

井口ふふふふそうだねー。不動産についてはまったくそうですね
佐藤:親子ともどもブレてないですね、お母さんは地域紙を創刊し発行し続けましたが、このあたりの地域紙はつくらないでしょう が、プロの編集者として働いていますので、お母さんと同じことやってますよね ふふふふ  ちょっと脱線しましたね

それで、話を元に戻してと。

手にはいれたが家はボロボロだったと。神経質になった点を、現場に足しげく通って、よい点を残し、拙い点を改修しないと現在のようにはならないと思います。見積もり書をただひたすら見続けてたんですか

井口:もの凄く見たのは平面図。立面図もね。
佐藤:内観じゃなくって外観の立面図ですか
井口内観 
佐藤:展開図ってやつですね
井口:そうです 展開図



佐藤:プランは何をどうもの凄く見たんですか
井口1階はわりとすぐ決まったんですけど。親の寝室と子供の寝室みたいになっていたんだけど、そいうのはやめようと。一つの部屋に皆で雑魚寝しますって決めて。庭側はサンルーム。そうすると広がるじゃないですか
佐藤:幅の広い縁側ですね

井口:そうしようと、玄関脇をピアのホールにしようと、3、4回目の打ち合わせでは決まりました。玄関は出てましたね。

 2階が、けっこう。書斎をどこに置くのか子供部屋をどこに置くのか、キッチンをどこに置くのかっていうので色々。

 キッチンの位置がセンターにあったりだとか、窓辺にあたりいとか、布団部屋もあったりとか。子供部屋の机の向きとかベンチの幅とか。色々。



佐藤:子供部屋の窓は小さくして 山の緑をちらちら見たりして、生活の場とちょっと離れた感じに区切りをつけてと。視線は遮られて籠れる場所になっている。窓も小さくって籠って集中できるコーナーになっていて子供にとってもいいですよね

井口子供は自分の部屋は欲しがるけど、家族からは離れられないから。一人では居られないので、まだ。

佐藤:それから台所の位置があっちいったり、こっちに来たりと 

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