21世紀のメディアについて語る
 2021年11月4日 20:30から

編集者:中村睦美
社会学者:花田達朗
木こり・ライター:坂巻陽平

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作成:佐藤敏宏
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早稲田大学発、日本で初メディア

花田
:ワセダクロニクルが2017年2月のデヴューと同時にリリースした特集記事が「買われた記事」という特集です。これは既存のメディアでは決して取り上げることのできないニュースなんです。なぜかと言うと、電通が絡んでいるから。
これは、製薬メイカーと電通と共同通信と地方紙という、4つのプレーヤーが絡んだ、不公正なお金の動きと記事の動きなんですね。製薬メーカーがお金を電通に出して、電通が共同通信に記事を書かせ、その記事を共同通信は加盟社の地方紙に配信をして、地方紙は一般記事として新聞紙面に載せた。これは実際のところ製薬メーカーがお金を出して作らせる記事なわけで、本当は広告なんです。それを一般記事として地方紙に掲載させていた。そのことを知っていた地方紙もあるだろうし、知らなかった地方紙もあるだろう。これは非常に巧妙な、いわゆるステルスマーケティングなんですよ。正体の見えないマーケティング。このやり方は日本のメディアの中で本当に蔓延しているようです。ところが、その証拠とともにこの問題を報道することはほとんど不可能だったんですね。噂では何となく記者はみんな知っている。けれども証拠がなければ、記者も報道はできない。記者が証拠をつかんだとしても、メディア企業としては報道できない。
ワセダクロニクルはその時に内部告発者から電通関連の資料を入手していたんですね。エビデンス(証拠)を持っていた。出せと言われれば、いつでも出せる。だから記事にできたんですけれども。それが最初の記事であり、こうしてワセダクロニクルが出発したのが2017年2月のこと。そこで日本で初めて大学発メディアというものを立ち上げた。日本では初めてだけど、米国には有名なものだけでも三つぐらいある。ワシントンDCにあるアメリカンユニバーシティー、そこにインベスティゲーティヴ・ジャーナリズム・ワークショップというのがあって、チャック・ルイスという教授がやっています。
チャック・ルイスは元々ジャーナリストで、CBSの60ミニッツという非常に有名な番組がありますが、そのプロデューサーだった人ですけれども、大学に移って大学発のメディアを作った。カリフォルニア大学バークレー校にも大学発メディアがある。それらは知っていたので、早稲田大学でも大学発メディアを作ろうと思ったわけですね。

その後は、簡単に言うと、その1年後私が早稲田大学を定年退職する時が来たので、ワセダクロニクルも大学の中にいても護ってくれる人が居なくなるわけだから、ワセダクロニクルの編集長たちは大学から独立することを考えて、特定非営利法人、NPOになったんです。それが2018年2月です。それで、NPOとしてやってきて、今年の3月にウェブサイトをリニューアルし、かつ新しい名称に変えて再発足した。それがTokyo Investigative Newsroom Tansa(東京インベスティゲーティヴ・ニューズルーム・タンサ)です。タンサというのは漢字で「探査」です。

 Tansaへ

花田:この3月からの新しいタンサのウェブサイトを観るとわかりますけれども、about us(アバウトアス)の処に現在やっている主要メンバーが出ています。最初に、何をやりたいかというショートメッセージの映像が出ていて、主要メンバーが登場しています。主要メンバーは4人。編集長の渡辺周、その他に3人のレポーターがいる。その3人はみなさん20歳代なんですよ。

中村:素晴らしい!

花田:その3人、アナリス・ガイズバート、辻麻里子、中川七海はNPOの理事でもあるんです。NPO法人だから理事会があるわけです。エラボはNPO法人じゃないですよね。だから理事会はない。

中村:ないですね。

花田:NPO法人としては理事会を作らないといけないわけですね。現在のメンバーの理事会になったのは去年の8月なんですよ。それまでの理事たちが五月雨式に辞めていったんですね。それで編集長の渡辺が一人になってしまって、その当時のスタッフのレポーターたち3人を理事にしたんです。その新理事たちが中心になって、新名称も彼女たちが考えたんです。サイト・リニューアルのデザインなども彼女たちが最終的に取りまとめていったんですね。若手の力が大きいと言っていい。だから、私はやっと軌道に乗ってきたと言っているんです。元々私はこのプロジェクトは20歳代、30歳代の人たちがやるべきはずのジャーナリズムのイノベーションの運動だと言ってきました。渡辺編集長は47歳ぐらいだけど、あれより年上の人には、絶対出来ないと思う。彼もそのことは分っていて、早く若い人に引き継ぎたいわけです。だから、若い人を育てたい、育てたいといつも言っている。

探査スクール 公文書開示請求

花田:そこで、Tansa School(探査報道ジャーナリスト養成学校)という学校を作っている。受講者には授業料は掛かるんですけど、それが同時にタンサの収益にもなり、活動の財源になる。定員40人だったかな、募集をして。半年間のコースで、コロナ禍状況の中でスタートしたから半分オンライン。そこにはいろんな人たちが来ていて、既存メディアの記者も来ているけども、例えば市民運動の人とか、弁護士とか、議員の秘書とか、いろんな人が来ている。それは何故かと言うと、今、情報を取って事実を発信するというのは、職業的な新聞記者やジャーナリストだけではないんですね。新聞記者たちにとって情報公開請求を活用するというのは基本的なことなわけで、そこから得られるものって非常に大きいわけですよ。若干手数料が掛かるけれど。佐藤さんは随分情報公開請求を使ってきましたよね。

佐藤:サンチャイルド像撤去騒動で知りたかった内容を、市役所に54本の福島市公文書開示請求書を申請し、1枚10円でしたが多量の資料を手に入れました(笑)古い無料で配布してた資料もオマケでいただきました。

花田:54本も請求したんですね。佐藤さんのようにね、新聞記者じゃなくっても、公文書開示請求を使っているわけです。それで、市民運動の人たちというのは、行政当局といろいろ交渉する時に情報が必要なわけです。情報というのは常に強い者が握っているわけよね。その強い者から情報を引き出さないと対抗できないわけ。権力を持っている者は情報が権力の源泉なので、隠すわけよね。情報を隠して自分たちのものだけにしておくことが彼らの権力の源。それを突き崩して情報をオープンにしてみんなでシェアーしないといけないわけですよね。そうすると、フラットな関係になれて、権力と渡り合うことができるようになる。そういうツールなんで、これは決してジャーナリストだけのツールじゃないわけです。一般の人たちが持っていたらいいツールなの。
例えば、子どもの学校で苛めがあったと、そんなこと自分の家庭でいつ起こるか分からないことでしょう。その時に教育委員会は何をやっているのと、知りたいじゃない。でも隠すでしょう。じゃーどうしたら知ることができるのか。その時は情報公開請求っていうのがありますよと、これはエブリワンズツールなんです。
だから、タンサは確かにプロフェッショナル・ジャーナリズムを自分たちではやっていこうとしているけれども、そのスキルを一般の人々にも伝えて、自分たちと同じように、権力監視ができるようにしていきたいわけ。

中村:本来は憲法で保障されている情報公開、知る権利というのはあるわけで。

花田:知る権利と言うでしょう、日本国憲法の中にはその言葉では書かれていないんだけれども、憲法第21条の文言を解釈すれば、あの中に知る権利は含まれているというのが憲法学の定説ですから。ただ、知る権利って時々誤解されるんだけど、英語ではPeople’s Rights to Know(ピープルズ・ライツ・ツー・ノウ)という。

中村:知るための権利。
花田:でしょう、問題はその前ですよ。
中村:人々のか。

花田:そう、ピープルズがあるんですよ。人々の権利ですよ。ピープルズというのはエブリワンズということですから、誰でもの権利ということです。別にジャーナリスツ・ライツ・ツー・ノウじゃない。さらに、日本で新聞では「国民の知る権利」と書いているね。でも、ネーションズ・ライツ・ツー・ノウじゃないんですよ。だから、「国民の知る権利」と表記するのは間違いです。「人々の知る権利」なんです。これは大違いですよ。

中村:そうですね、ネーションと言った時点で、大きな線引きがされている。

花田:国民の知る権利」と言ったら、じゃー外国人はどうなの。外国人には日本の中で知る権利はないの、ということになりますよね。

中村:大きな分断が生じますね、国民というのはたしかに。そうですね。

花田:だから、言葉は注意しないといけない。で、その探査スクールでは、若いジャーナリストを育てる目的も持ちつつ、自分たちジャーナリストとしてのノウハウを誰にでも教えたいということなのね。だから、現に市民運動の人とか、弁護士も参加しているわけですよ。
そこで伝えているのは、どういうふうにして情報を獲得するかということですよ。これはね、渡辺編集長から聞いていると、例えば情報公開請求するにしても、情報公開請求書の書き方次第で出て来る情報というのは全然違うというわけ。だから、書き方というのが大切。それと窓口での役所の担当者との口頭でのやり方次第で出る物が違うと言っていますね。
それは佐藤さんご自身、ずーっとね、情報公開請求を使っているから、ひしひしと感じているでしょう。

佐藤:一つのテーマで、的を絞って、54本の公文書開示申請書提出し続けましたので、実感としてわかります。たしかに申請の中味、書き方次第で、でてくる公文書は全く違います。下手な内容、書き方だと「不存在」の紙しかでてこないです。窓口の人と親密になると、相談できまして、欲しい資料の在りかと書き方もわかるようになりますね。ターゲットとしている担当課の人が申請窓口に来て、いろいろ出せる書類への書き方を匂わせてくれたりする。で、命中・効率よくなります。どうにもしょうがない資料がたくさん出てきたりもします(笑)分厚い冊子になっていて、気の毒に思われました、余分があれば無償での配布の冊子もありました。無償ですから、助かりましたね。

中村:情報公開以外でも、建築界でも同じようなことがあって、建物を建てるときの許可を役所にとる必要がありますよね。そこでいかに担当の方と上手に交渉するか。それが勝負と言われることもありますね。いかにそこで役所の担当者に対して、こういう理由で建築基準法に叶っているということを上手くやりこめるというか、一つのテクニックだという話は聞いたことがあります。




 Tansa Schoolサイトをみる

佐藤:開示請求事例
2019年11月22日FBへ 

花田:もと新聞記者の坂巻さん、どうですか情報公開請求はしたことありますか。

坂巻:ありますよ、この前僕も神奈川に戻って来て、開示請求かけたときに、僕は神奈川の端っこの山北町という所に住んでいるので、県庁に行けない、行くのに片道2時間ぐらい掛るんですよ。だから電話と開示請求はネットで、申し込んで。資料を出してもらったんですけれども、その資料のコピー代を30円、3枚で30円払うんですけど、それを郵便局に行って払うのに手数料が437円取られたんですよ。それは、おかしいでしょうと?ということで、この前神奈川県議会にそれを改善するように陳情を出したところで、それが今度の12月議会で。それで神奈川のオンブズマンに電話して聞いたところ、手数料を取ってる自治体もあるけど、埼玉県では電子決済して手数料無料ですと。そういうのも陳情書に書いて出したんです。どうなるか

花田:そういう一歩一歩だよね。面倒臭いけど、そういう一歩一歩で。

坂巻:公文書だと市民との距離を、たった30円払うのに437円、しかも437円払って、出て来た資料が見当違いの資料だったので、もう一回担当に電話して、というか担当者と電話していてこういう資料が欲しいということを言って、その上での開示請求で違う資料が出て来たんで、また交渉して、出してもらって、その時は横浜に用事があったので、県庁に寄ってコピー代、その時は80円ぐらいからな、払ってだしてもったりとか。僕も記者をやっていなかったら、最初の開示請求で諦めていたと思うんですけど。もっと違う資料があるはずだと思って、再度請求かけたんで。不正を暴く資料でもなんでもなく、森林環境贈与税の配分というマニアックな資料なんです。それを出してもらったのが、この前7,8月の出来事でした。慣れというか自分は職業としてやっていたんで、何となく勝手は分りますけど、一般の市民の方がやって、どこの担当課に行けばいいのか、最初は分らないし。花田先生が仰るように訓練というか、教育とか、教えてもらわないと分からないことでもある。でもそれが分かってくると、行政とどういうやりとりをすればいいのか、公平な立場で話ができるというのは、まさに仰る通りだと。

 左:坂巻陽平さん
 開示請求に関する投稿内容FBへ

花田
:さっきね、インベスティゲーティヴ・ジャーナリズム、探査ジャーナリズムと言いましたけれども、中村さんは初めて聞くだろうから、その言葉なんですけれども、米国ではそれを別の言い方でウォッチドック・ジャーナリズムとも言うんですよ。ウォッチドックというのは番犬ですよね。

中村:ちゃんと権力側を監視すると。

花田:ウォッチドック・ジャーナリズムを別の言い方をすると、権力監視ジャーナリズムとなるのね。それは本来のジャーナリズムの役割であって、市民の立場に立って権力を持っている者たちや機関を監視するということなんですよ。権力を持っていると必ず腐敗し、不正や不正義をする。そのことは歴史が証明している。必ず何か悪いことをやっているわけです。その悪事の被害を被るのは市民の側なわけですよ。個々人ですよね。
例えば行政機関によって、本人の知らない間に強制不妊手術されたりとか。いつどういう形で自分自身も権力の被害者になるか分からないわけです。だから権力を持っている者たちや、組織や機関が悪いことをやっているんじゃないかという疑念を持ってね、監視していかないといけない。で、そのことを職業的にやる人間のことをジャーナリストと呼ぶわけですよ。ところが、これは職業的にやっているだけではもはや間に合わなくって、一般市民、みんながウォッチドックにならないといけない。少なくても、そういう気持ちを持たないといけない。いつ自分が被害者になるか、犠牲者になるか分からないわけで、あるいは自分の家族が、自分の知り合いが、いつ国家行政や大企業の、被害者・犠牲者になるか分からない。みんな潜在的な犠牲者だと言ってもいい。
だから、常に怠りなくウォッチしないといけない。それをこれまで職業的に任されてきたのがジャーナリストだったわけですが、日本ではそのことをキチンとやるジャーナリストやメディアが少ないわけです。


中村:今の話を聞いて赤旗というのはギリギリそっちでしょうか?

花田:赤旗は新聞だけど、新聞にはいろいろ種類があって、赤旗は政党機関紙という種類の新聞なの。例えば高知新聞、これは一般日刊紙という種類なんです。全然カテゴリーが違う。赤旗は日本共産党の政党機関紙。自民党の政党機関紙は自由新報。発行部数は赤旗の方が断然多い。政党はそれぞれ自分の機関紙を持っているんです。一般日刊紙は原則として党派性は持たないのです。

さっきの話に戻ると、日本のマスメディア、あるいは「マスコミ」と呼ばれるものが、もはやキチンとウォッチ・ドックをやらなくなってしまったので、21世紀の時代状況の中で新しいスタイルのウォッチ・ドックをやるニュース組織が必要なわけです。それを作らないといけないっていうので、非営利という組織モデルで作ったのがワセダクロニクル。


 サイトへ
20世紀メディア環境が違う

佐藤:中村さん探査について分かってきましたか?
中村:凄く分かりました。

花田:ついでに言っておくとね、タンサが運営しているメディアはまずウエブサイト。ほかに映像はYouTubeでも発信している。それから、2ヶ月前から、ボットキャストを始めました。

佐藤:紙は扱わないんですか?

花田:紙はコストが掛かるからやらない。

中村:だからメディアという、YouTubeもボットキャストもそうですけど、無料で誰でも使えるツールとして、あるわけですよね。そういったものを使って、権力、大きな組織でなくっても誰でも発信することが出来る時代になったというのは凄く。

花田:それが根本的に20世紀と違う状況なんですよ。

佐藤:誰でも発信できる21世紀メディアの登場は、私も先ほど触れてもらったように公文書開示請求を54本申請したり、今は県庁の職員にインタビューして、細やかに個人的活動を野良犬観察をやっています。そこで一番困るのは記録が無い、議事録や公文書記録を作らない、記録を作って・・ねーんだよ。

花田:(笑)

佐藤:サンチャイルド像の事件、公文書開示請求は建築工事に長年携わっていたから、工程順序が分る。で、記録がなくっても像の設置工程に沿って、持ち込みの企画を誰が立ち上がったか、そして像を作った作家、基礎を作るための設計図を書いた人、工事を請け負った人、工程をそれぞれに区分して一つ一つ虱潰しに開示請求を出してみました。矛盾は明らかになってしまいますよ。1本の開示請求申請だけでは原因は立体化されないと思います。

単なる一例ですけれど。それを語ると分かり易い役所の出鱈目が分かると思いますので語ります。サンチャイルド像が据えつけられた後に、土台その物が寄付されていました。工事の順序を追えば、本来は真っ先に土台の寄付を受けてからサンチャイルド像の寄付をうけ、耐震の設計をし終えて、見積もりして予算を合わせて、発注する。そこで落札されたら工事に掛かるわけです。が、どこからも寄付を受けてないのに土台が据えられて像が建られてしまっている。あとで気付いたんでしょうけど(笑)、辻褄を合わせるために無理やり土台の寄付受けている。土台の金の出所をごまかすためでしょうか。担当者は可愛いことに、公文書偽造になりますから、寄贈申込書の日付けを変えず(笑)、偽造してない、ごまかせないんですね。(笑)で、虱潰しに開示請求すると日付で追うと工事工程の矛盾と寄贈申請の矛盾が浮き上がってしました。可哀そうで文句も言う気にならないですよ。公務員叩きをすることが私の目的ではいですからね。

また、工事、それ以前の問題として、市長さんが、作家であるヤノベさんと関係者や関係部署の設置場所選定にあたり現地調査しています。どこに設置するが良いのか?それを皆で現地調査して決めたとヤノベさんは語っています(音と文字記録あり)が、設置場所を選ぶために調査しあるいた、その議事録が無いのです。それを書いて、開示請求すると「文書不存在」で返ってきます。
行政文書を公文書として記録し残す気持ちがないんですね。森友学園の土地払い下げでの佐川局長指示によると言われている公文書改ざんで、明らかに矛盾答弁しているし、担当者である赤城さんが自殺された問題のような、大蔵省の公文書改竄なども含めて、長い間、国会で議論されていますが、納まっていません。(記録を書かない捨ててないなどの問題)

この国や福島市・行政の末端職員まで公文書作成し大切に保管しようとする意識が極めて薄いと思いました。市民が行政と市議会を常に監視してない点も公文書を作らない原因の一つだと思いましたね。
市長秘書室でも市長の行動録・言動録としての議事録、公文書を作らないのが当たり前じゃん!という顔してましたよ。市民と市長が会ってあって対話した内容の議事録を作ってないので開示できない! それは公務員の恥だ!が、そう思わない点が記録が無い肝です。倫理崩壊ですし、道徳欠如ですよね。議員がそれを放置しているだけで阿保ばかりなんでしょうね。官僚が嘘はついても与党の代議士が身を守ってくれるし、議事録は改竄しても出世するし、いいじゃん!この空気ということになっていて、文書不存在で対応できるからいいもんね〜、そういう天国が出現しちゃってますよ。(笑

記録を作り保全継承せよ!と皆で言わないと、公文書開示請求申請しても「公文書不存在」って書けば、公文書を出さなっていいのだから、公文書作らない方に流れていきますよね。

人は誰でも、ウエブサイトで発信できるようになったのが、21世紀新メディアの時代であって、今回の衆議院の総選挙でも問題になりましたが、SNSのダッピ問題が浮上したのは、明かされてもいます。これらは誰でも一人一人が市民メディア社会なんだから、良い教訓の一つに成っていたと思います。ダッピは問題は以前からステルス・マンを雇って、多量に情報操作していたし、「グーグル八分」という言葉が前から有るよう、検索エンジンの会社にお金を払えば、情報を隠すこともできるし、検索エンジンにフィルターを掛けてもらえばウエブ場には無い事にもできる。お金を払って上位に出て来るようにも出来てしまう。

当たり前だけど検索エンジンも、SNSも、金で情報操作がで来ています。この投稿は政党のやらせ投稿だと見極める能力が市民一人一人が身に付けないと騙されちゃう。ウエブ情報を読んで判断できる、真偽を判断できないといけない。発信すると同時に受信しないと生きていけませんので、両面の知恵は要ります。
探査では発信する教育はするけど受信側の教育は誰が担うのか。小学校から行わないとダメなわけですよね



























令和3年度 第19期遊佐町少年議会 ? 遊佐町 (town.yuza.yamagata.jp)

山形県の遊佐町では少年議会があって、中学生と高校生の議会が動いていて有名です。投票権をえる前から議論を重ねる体験をしていないと、真偽も見分けれられない。ドイツの子供達の主権者教育は知らないんだけど、小学校から主権者教育を行っているとも聞いたことはあります。調べたことはないです。小さい頃からマスコミの読み方、広報紙の読み方、テレビ・ラジオの視聴教育は要りますが、私はそういう教育を受けたことない。経験で日本のことで言えば、紙に印刷されることは間違いないと思い込んでいる人が多すぎる。新聞の記事は正しく、間違いないことしか書いてない、いまだにそう思い込んでいる人がいる(笑)間違いだらけだけど。記者を育てると同時に受信者の訓練も必要だ。

中村さんは今日、最初に有名建築家の圧力ばかりで、ブラック建築家界の体質が嫌になって編集者の道を選んだと言われました。田舎の建築家学生は有名建築家ばかりの情報が流れて、やる気なくなるわーと。有名建築家の奴隷になるようなことなんか、職業にしたくない。ということで、横ずれして行った。勘が正しく働いているんだけど(笑)。

探査では教育すると同時に受信者教育コースもあるといいなーと思います。何度も言いますけれど、記録を作ることが、いの一番・肝心。次に、内容がいかに重要かということを教えることが大切、小さい時から実践してないと身に付かない。記録を破いて捨てたら、記憶の自殺行為なんだよ、そう教えないと。公文書改竄は道徳や倫理観を自分で破壊する行為だから、頭がおかしくなってしまうだろうから、精神病になるのが落ちですよ。

ジャーナリスト頑張れ!と言うけども全体に監視する・応援する市民を含め、三人が居ないと。 記録作り人、記録をちゃんと読む力を持った人、その情報を発信する力を持つ人の三つが必要だ。21世紀はウエブが出来たことでよってようやく、試行錯誤して20年経ちました。ダッピも露わになったし、デジタル大臣が関わる四国新聞のことが選挙で話題になったりして、日本の政治と情報の状況は、北朝鮮や中国とさほど変わらない、現状だということが、誰でもに明らかに分かるようになった。で、21世紀のメディアについて語っていいただいているわけです。


中村さん推し 音楽動画
ケンドリック・ラマー -Humble.
消費されるだけではない音楽としてやはりヒップホップは偉大だと思いますので、こちらも!

■ エラボ (elabo)Z世代とジャーナリズム

花田
:探査の概要はもうお話しましたし、これからエラボの方に戻りたいんですけど。
佐藤:坂巻さん探査に関して、質問はないでしょうか?
坂巻:探査はこれまでネットで観てきたので、何となく解ってます。

花田:今日の中心はエラボだから。
佐藤:Z世代のエラボ、そうです。

花田:そしてしかもまだ未知。
佐藤:そうです、だから注目しました。どうなるのかとても興味が湧きます。

花田:スタートしたばかりのようですが、私はウェブサイトを観て、随分ユニークなことをやっているなーと思いました。それで、世代の近い坂巻さんに聞いてみたいんだけど、坂巻さんはエラボのサイトは観たんでしょう?

坂巻:記事は読んでないですけど、トップ頁をざっと見た程度です。

花田:年齢の近い坂巻さんとしては、しかも日本の「マスコミ」を見限った坂巻さんとしても、エラボについてどう思う? つまりこれはジャーナリズムなのか、あるいはこれは一体何なのか。

坂巻:先ほどの花田先生の質問にあったように、自分もどういう人が記事を書いているのかな、というのは気になって、それは学生さんがやられていて、中村さんたちが編集作業をされているというを聞いて、ジャーナリズム。物事を書くって凄い勇気の要ることだし、本当に調べ尽くして書かなきゃいけない。自分も新聞社を離れて、細々といろいろ情報発信しているですけど、その中で自分、ディスクが居ないなかで、自分の全て責任になるのはちょっと怖かった。会社を離れてみて、こういう怖さと責任があるんだなーと改めて気付いたのです。書く難しさを今ひしひしと感じていて。質問はこれはジャーナリズムですかでした、ちゃんと記事を読んでいないので何とも批評はできない。ですが、見た目というかデザインは目を惹きつけるものはあるなというのが一つ思った。
ジャーナリズムか、記事読んでないので何とも言えないです。

中村:ジャーナリズムかどうか?

花田:もちろん私も記事を全部読んでいないんだけど、私は、これはジャーナリズムだと思う。その時にジャーナリズムの定義を言わないといけないよね。その時の私のジャーナリズムの定義は同時代観察。自分の生きている時代を観察した記録。

中村:まさしくそうなんです。仰ってくださって。
佐藤:よかったね。









中村
:このメディアが立ち上がったのは2021年ですし、これほど世界の情報などが、でどんどん流れて来る時代において、最初に言ったような、(ブラック・ライブズ・マター)の状況がリアルタイムで情報として入って来るわけです。アメリカではこういう問題が起こっていて、一方で、アジアンヘイト。日本をはじめ、アジア人がアメリカで差別されるような問題があります。私たちはどうこれを捉えれば良いのか、っていうことを本当に同時代的に観ていく必要がありますよね。また、今世界的に流行っているポップカルチャーがどういう文脈で出て来たのか、同時代的な社会を観て書くと。

花田:「同時代」というのは英語で言えば、コンテンポラリーだけど。自分が生きている時代ということ。多くの人々とともに自分が生きている時代を自分で観察して、その結果を記録して表現して発信して、この社会をよくしていこうと努力すること。これはまさにジャーナリズムなんです。
エラボの場合はとりわけZ世代ということを強調しているし、キーワードにカルチャー、アイデンティティ、ポリティックスの三つを挙げていますよね。アイデンティティをキーワードの一つに挙げている点からすると、同時代を生きる当事者による同時代観察っていうことになる。つまり当事者性というのがエラボの一つのフォーカスなのかなという気がするんですね。だから、一般のジャーナリズムとそこが違っているかも知れない。違っているというよりはそこを強調しているということになるかもしれない。アイデンティティという言葉で語ろうとしているということはこの時代を生きる当事者として、この時代を記録していくんだという、その当事者性をエラボは持とうとしているだろうと、私は観るわけ。


elabo2021年12月3日の記事を読む
坂巻:僕がちょっと思ったのは書き手の立場から観てしまうんですよ、いわゆるZ世代という言葉は最近知ったんですけども、僕はまだ書きたい人間なんで、最終的には紙媒体で情報発信をしたいと思っている人間なんですよ。ネットだったらば、平たく言ったら誰でも今は情報発信が出来るけども、自分が新聞記者をやっていたという経緯もありそう思うんですけど、紙で書くというのが一つの目標になっていて、今の若い人たちは、どうなんですか

花田:君も若いんだよ(笑)

坂巻:その辺が、中村さんが今大学学生と直接されている中で紙メディア・媒体というのは今後、今もそうかもしれない、若者にとってどういう存在になっていて。どうなって行きそうなのかということを、中村さんに聞きたいなと思います。

中村:私自身は20代後半ですけれども。
花田:坂巻さんは何歳ですか。
坂巻:私は30才半ばです。
佐藤:中村さは紙媒体も編集してますよね。

中村:紙もちょっと、一応両方を編集しているという形ですね。私自身もファッション誌とか、今も紙媒体でありますけども、紙の雑誌からカルチャーを学び、影響を受けた人間なので、凄く紙媒体から得たものは大きい世代ではあります。特にデジタル化の流れがこの10年間で、物凄いスピードで進んできたので、ちょっと歳が違うだけで、経験したデジタルメディアがドンドン変わっていくんですよね。だから私より、2、3才下になると、ほとんど紙メディア見ませんという人が居たりします。たぶん中高生のときに当たり前にを皆が使っていたという世代とそうでない世代で一気に価値観が変わる。基本世代は が当たり前の世代です。今の学生たちは紙のメディアに振れる・触れることが減った。居るかもしれないけど、もちろん居るんだけど、紙はメインの媒体では無いじゃないかなーと気はしていますね。
坂巻:花田先生それは世代の問題なのか、今の若い子も20代、30代ぐらいになったと時に紙だよねという風になって来るのか。それともこれからはもう新聞は読まない、タブレットになる、新聞紙では読まないというふうになっていく。花田先生はどう感じていますか。

花田:私は後者のほうだと思いますね。これはメディアを経験するパターンの問題だから、タブレットで新聞を、あるいはスマフォで新聞を読み始めた人が、後になってから紙に行くということはあり得ないと思うよ。

佐藤:同意(笑)
坂巻:笑)僕はたぶん古い方の人間で、新聞は紙で読みたい。(笑)
花田:ああ、博物館入りだよ。
坂巻:そうですか。

花田:考えてごらん、例えば新幹線ができた後に、誰が東京から大阪に普通列車で行く?
坂巻:極まれに。
佐藤:青春18切符で行く(笑)

花田:よほどの鉄道ファンなら、東京から大阪まで乗り継ぎで普通電車で行こうと思うかも。

佐藤:通信料が安い、あるいは無料、紙媒体は広告費と購読料で成り立っていたけど、ウエブ媒体にそれを持ち込んで荒らしていたのは既存の大手媒体でしたよ。私は貧乏になって本は買わなったけど通信料を毎月払ってPCもスマフォもiPadも手放していないですよ。通信料で得る情報の方が圧倒的に多いし使い勝手がいい。同じ金額で紙媒体を買えば本1冊しか買えない。環境に悪い影響を与えるかもしれないけど、タブレット端末機器の登場は貧乏人から情報格差を取り払ったと思います。貧乏老人の私はシミジミこの20年間その恩恵にあずかっております(笑)

中村::通信料が安いので若者が使う、それは凄く分かります

佐藤:WEBで情報を発信しようとすると機材は少し要るけど、20年前に比べるとスマフォ一つあれば発信できてしまいました。受信だけなら安いスマフォで十分暮せそうだし。スマフォだけで暮すと詰まらな情報過多、偏りに遭うけど。
私はゆえあって、貧乏歴は長くなりました。ネットの受信発信の方が断然有効な道具ですね。ウエブに対する価値観はこの20年、変わってないです。写真機も捨てても画像ソフトはGIMP・無料動画ソフトを使えば加工して発信できる。スマフォで動画編集もできるし。
本はネットで見つけて、県立図書館に行って借ります。図書館に無かったらアマゾンで検索して買う。貧乏歴がそうとう長くなっているからは媒体を手に取る順序が、ネット、図書館、古書を買う、書店行って新書本を買う、その順序に変わりました。古いけど貴重な資料本はウエブ古書店で買ってます。

中村:それは分かります。本当に若者の貧困の問題は媒体に大きな影響を与えていると思いますね。本の値段は相当高く感じるでしょう。



左の動画は「群青」 YOASOBI 
10年前にアイ・パットでアニマを見まくっていた幼稚園児たちが高校1年生なったので、聞いている歌を教えってもらった
彼は、YOASOBIを聞いているそうだ。
アニソン的で、ボーカロイド風の肉声。少年たちの傷ついた内面をリリカルにあらわす歌だった。動画は「群青」という男女ペアの曲

ウエブで文字発信することはデータ量が小さい 特徴を活かすべき

佐藤
:紙の本も1000円ぐらいになっているから安くなってしまい、専業書き手の暮らしが追い詰められているとは思います、いいか悪いのかは分からない。税込み一冊1000円の新書ばかりじゃないのかな。

中村:確かに文庫や新書のように安く手に入れやすい本もたくさんありますよね。ただ、間違いなく物価が上がった割りに賃金が上がらない以上は買えるものは狭まってきている。そして今コンテンツが凄く増えてますよね。紙のメディアがもともと有って、そこにウエブが登場して、SNSがでてきて もあってポットキャストのように音声コンテンツもあって。さらにネットフリックスとかアマゾンプライムとかのサブスクリプションサービスでは定額でどんどん映像を観ることが出来る。よく言われているのは、本当にそういうものを当たり前に、もの(情報)として、物事の分別が付く年齢になった時に、デジタルコンテンツが無限に溢れているような世代というのは、無限にあるコンテンツをいかに、効率よくどんどん取集するかという、状態になってしまう傾向が、あるらしいです。 だからSNSの情報量も、例えばTwitterであれば、160字ですよね、160字でいかに効率よく情報を伝えるのか、みたいな話になってしまいますし。さらに言うと、ティックトック(Tik Tok)というSNSがあるんです

佐藤:初耳、それは何?

中村:ティックトックを説明するのは難しい(笑)。私もやっていないので。ティックトックは何かというと、映像のSNSなんですね、もより短い、6秒ぐらいの。とにかくショート、短い時間で何かを踊ったりした映像をアップして。

佐藤:TV・CMは15秒だから、個人動画CMのようなものかな?

中村:そう言えるんでしょうかね。とにかく情報の種類が物凄く増えているんですけど、その一つ一つの情報から発せられる情報量は少ないんですよね、Twitterで160字、ティックトックで本当に数秒で伝えるとか。

佐藤:YouTubeも使って動画発信しようと思って実験的にスマフォで撮ってYouTubeにアップしてみました。毎日アップを2ヶ月ぐらい投稿し続けたら、何が起こったと思いますか?1日に10分ずつ喋って毎日アップする。そうするとWi-Fiが詰まってしまうんですよ。分かりますかその気分。通信会社によって制限が掛けられる。

中村:そうすると、通信制限ですよね。

佐藤:発信・受信を逆に考えてみると、個人がアップした動画をYouTubeは低画質にしているんだけど、それでもWi-Fi詰まりが起きる、データ量が大きい動画を毎日見せられたら嫌いなるよね。3秒ぐらいだったら、毎日、見てもいんじゃない、フェースブックに投稿してみると分かる。毎日、猫に成った気分で、あくびしている動画をアップすると様子、誰かが観るかもしれない。何でも動画で発信したいという願望はあるけど、発信すれば受信する人のことを考えないと、自己満足で誰も見やしない。スマフォで料金払ってWi-Fi詰まらせて動画観るか?観ないと思った。中味はどうあれ、スマフォの通信料を払えない人が多く居るって気づいた。
通信費用の問題が影響していると。ウエブ動画メディア全盛のときにそう思ったのよ。だから文字はデータ量は凄く少ないので文字化して発信し記録を保存するとが最もいいと思っている、大変有効でいい。
今年からZOOMやりWEB記録を作って発信するために光回線に変えたんですよ。Wi-Fiは今月(2021年11月)で止めることにしました。

中村:本当に一瞬で通信制限が掛かります。

佐藤:まだ新しいPC買えないから、ZOOMで画面共有とかできないんだけど(笑)のんびり高性能のPCに変えていきます。テlIックトックの短い動画を見せ合うというのは貧しさの表象かも。貧しいけど、情報を自分で発信して何かを伝えていたい!そういう願望。繋がりたい思いかな。潜在的な情報過多の社会に埋没しそうだが、発信欲望は消えてない

中村:そうですね。

佐藤:発信欲望が有るということだから、情報の出し方を上手に誘導すれば能動的な人が増えていくんじゃないかな。情報過多の世にあってそれが起きていて、自由になる時間を想えば、佐藤のくだらない動画を観て時間を消費したくないと思うのは当然だ!と思う。

中村:(笑)3分だったら観るかもしれない。

佐藤:観ない。コマーシャルは15秒だよ。15秒動画であんなに多才な表現が発信できるの知っている人たち相手だよ。

手応え ポテンシャルがあるか?

花田:今日の私の究極の質問なんですけれど、中村さんにです。私が今日一番知りたいことは、このエラボをやっていてね、しかもカルチャー、アイデンティティ、ポリティックスというコンセプトでやっていて、しかもZ世代とかをターゲットにしている。私が聞きたいのは、そういうことを謳っていて、その手応え。手応えがありますか?
どんなポテンシャルを持っていますか? と。そこに一番関心がある。やっている人にそこを聞きたいね。

佐藤:なるほど、厳しい核心に近づいてきました。

中村:凄く重要な、お話です。というものこういうことをやっていると、例えばWebメディアで、一つ記事を更新しました、という告知をしない限りはなかなか歴史が浅いメディアだと、そのWebメディアにアクセスして記事を読むということは少ないので、Twitterとかで記事をアップしましたと、告知をしているんです。そうするとZ世代はTwitterすらもやっていない子がほとんどだと。インスタグラムとか、画像ツールのSNSをメインに生きていて、Twitter160字の世界にすら、Z世代は居ない。結構減っていると思うですね。その中でエラボのような、企業オウンドメディアでもないかたちでインデペンデントな発信をしていると、「おもしろいですね、良い記事でした」と感想をくれるのが、30代とか、20代後半の、40代の編集者、メディア関係者が多いんです。これはもしかしたら肝心のZ世代に届いていないのか?と。

佐藤:それは届いてない?

花田:編集者がライター探しをしているだけでしょう。やっぱり究極の問題は、Z世代をターゲットにしている時に、その人たちからどんなリアクションがあるか、もっとはっきり言えば、エラボは果たして共鳴板を持っているのかということです。共鳴板があることを本当にやっているんですか?ということです。

佐藤:厳しい問いが発せられましたね。
中村:本当に厳しいですね。まだちょっと。

花田:この厳しい問いがなぜ出て来るかと言うと、タンサそのものがこの問いに向き合っているからなんですよ。私はタンサをやっている当事者、アドバイザーですけれど、タンサもね、やっている自分たちって凄く意味のあることをやっていると信じているわけです。スタッフとかもね。で、寄付金で賄おうとしているわけだけれど、サポーターからクレジットカード決済で月千円とか2千円とかの寄付を受けて、メンバーシップ制をメインにしてやっていきたいと、スタートしたわけですが、サポーターが全然増えないんですよ。最近の実数を聞いてないけれど、本当に驚くほど増えない。今一番大きな財源は助成金です。本来のコンセプトからすれば、個々の市民の拠出金、寄付によって賄ないつつ、ウォッチドックをやるということだったんだけど、市民からの財政的な支援というのはいまだ芳しくないわけです。だから、そこに凄いギャップがあって、自分たちは社会的に意味のあることをやっていると一方では信じている、しかしそれが社会にどれだけ受け入れられているかというと非常に乏しい。このギャップね。そうすると、果たして社会の中に我々がやっている事に対して共鳴板があるんだろうかと、そもそもそれが無いところでやっても意味が無いのではないか。

佐藤:そんな馬鹿な。

花田:極端に言えば、そう思っても不思議ではないわけですよ。だから、そういう状況をエラボに移したときに、さっきの質問、つまりエラボはどういう共鳴板を社会の中に、あるいはもっと具体的なに言えば、Z世代の中に持っていますか? それから第二の問いは、エラボは社会的インパクトを持っていますか?ということです。

中村:社会的インパクトは、これは。

佐藤:俺が反応して花田先生と出会場をもうけました、まずね。

中村;ありがとうございます。そうなんですね、社会的なインパクトがあるかどうかというのは、どう形で判断すればいいのでしょうかね。



■左動画
坂巻さんの選曲 竹原ピストル
「よう、そこの若いの」
 その4へ続く 

bbb