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今津康夫編   佐藤敏宏の2013年ことば悦覧@大阪 
             2013年9月17日 大阪
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 01  (2008年5月12日 聞き取り記録へ主な写真はninkipen!より

佐藤:この5年間で今津さんにどんな変化があったか?2008年の5月以来ですね あの時はカレー屋さんの上のシェアオフィスでした
今津:そうですね

佐藤:大阪ど真ん中の こんな立派な事務所に移転されてしまって
今津ははははそうですね 前より 1/3ぐらいやったんですよ。 あのとき二人だったかなー

佐藤:二人でしたね

今津そのあと三人になって、で遠藤事務所のもう一つ後輩が入って来て 三人になって。で手狭なんで、三人で引っ越して来たんですよ。面倒臭いんで 表札設計事務所にして

佐藤:ただの 設計事務所ってかっこいいですね
今津そう そう

佐藤:美容院みたいな お菓子屋さんもできていたんだったかな 5年前は
今津:その後 2009年からなんですかれど。歯医者のインテリアデザインをやりまして。これもインテリアの賞をもらって。ふるやさんが審査員やったのかな。相変わらずインテリア建築二足のわらじでいまもずーっとやってますね

佐藤:どちらが多いんですか?
今津件数としてはインテリアの方が多いですねー。やっぱり 建築は1年とか時間掛かるじゃないですか。その後に 服屋さんなんですけれども。この当たりから アーキテクチャー フォトネットというwebマガジンに載せてもらったり。それから海外のデザインサイトに載せたもらったりして

佐藤:投稿ですか 向こうから勝手にですか
今津まず投稿ですね切っ掛けは。今は わりと担当者みたいな人が居るので、その人に直接メールでやりとりして
佐藤:最近は目に掛けてもらっていると いいすね

 

今津
いえいえ ふふふ そんなこともあり 扉が一杯あるような、扉を増幅させて。元々二つの扉が在ったんですけど。それに触発されて。で、扉を一杯増やして。扉の向こう側にある空間のイメージみたいなものを連想させて。建築の物理的な、間仕切ったりとか、そういうことではなくって、扉単体で奥行き感を 感じてもらおうと、いうようなプロジェクト。



佐藤
:こちらの扉はフェークですか
今津フェークですね。扉を埋めてしまった、開けてしまった状態とか、そういうのを、まぜながら。実際は試着室しかお客さんは入れないので、他の扉はどうなっているんだろう?と思うことが意図したものですね


これが住宅ですね。

佐藤:確か奈良でしたね
今津:2008年の9月から着工
佐藤:屋上にあがる ところが 戸惑っていたような記憶があります



今津
:ふふふふふ 
佐藤:立派な屋上があるじゃないですか。ボイド状の光の筒みたいな、天窓ですか
今津:上にも出ているので 煙突ということで
佐藤:光の煙突だと
今津電動で開くので空気が循環して、これは施主がつけたモビールですけれども 開けると実際にクルクル回る。空気が循環するので。



佐藤
:建築内の空気の動きがモビールを通して観ることが出来ると
今津そうですね
佐藤:よー換気できてるなーと観ながら想えると
今津:そうそう、で夜は照明器具になるんですけれど。ランプシェードになると。

佐藤:これは今津さんの初建築でしたかね
今津:いや 三つ目ですね 

佐藤
:これは 別建築ですか
今津:いや、狭いながらも中庭があって
佐藤:もの干し場を上から撮しているんだね



今津:そうですね
佐藤:ステンレスのたてはぜですね ぴかぴか
今津鏡面ですね
佐藤:ステンレスに空が映っているんだ

今津:そうですね
佐藤:外壁もステンレスですか
今津:外壁は笠木とこのあたりだけがステンレスです

佐藤:箱がどすんと置いてある感じで 回りの家々とは異質な感じですね、黒ですか真っ黒けー
今津:グレーですね

佐藤:出来上がってみて自分としてはどうですか?

今津:そうですね 建築もそうなんですけれども、一つの家族とがっり向き合って1年設計と監理するので、家を建てるということがどういうことなのか?っていうのが、何となく分かって。責任重大やなー

佐藤:ふふふふ
今津:ふふふ っていうふうに思いましたね。

あとは どこまで住宅で考えたことを、その当時お話したか覚えてませんけど
 普通に建てると

これスエーデンハウスですけれども、これが三つミニ開発の家が並ぶんですけれど。

それをそうならずにローコストながら、ローコストなので面積がちっちゃく 制限出来たっいうのもあるんですけれど。箱をずらすことによって、平面的にも断面的にも



佐藤:表情が生まれてね
今津:で光とか考えながらやるので

佐藤:手前の黒いのは
今津:お風呂です

佐藤
:お風呂が飛びでているんですね
今津:はい 

藤:あまり力を入れず 回りと緩やかに馴染ませたと
今津:はい ずいぶん環境的には ほとど建っているんですけれど。こいつが在ることによって、お隣さんにもいいですし、自分の環境は敷地内で守っているので。ここに建ったって、この住宅の機能が失われてないので


佐藤:インテリアの仕事と 住宅ってこともあるかも知れないけど。先ほど語られた責任の重大さっていうのはどの当たりですか

今津
:そうですね、家一生に一回建てるって
佐藤:人生 賭しているし緊張するんだと

今津店舗の場合は僕は常に流行廃りでデザインを決めてるわけじゃないので、できれば10年とか20年とか 残って欲しいな−とは思ってますけど。やっぱり改装されていくので、その当たり。家は変わらないですからね。

佐藤:住宅の場合は簡単に改装されにくいので責任を感じてしまうんだと
今津:ふふふふ そうですね はい
佐藤:色んな媒体には発表されたのですか?

今津:雑誌はそんなに で 海外のwebマガジン程度ですね
佐藤:雑誌に発表することが命 みたいには思ってないんですか

今津:この住宅を設計しているときには 今何人か付き合っているメディアの人とか知らなかったんで、海外のwebマガジンはメールでね、送れるのでダイレクトに。そういう所はアクセスし易かったんですね。

佐藤:日本のメディアは扱い難かったということですか アクセスしかたが分からなかった?
今津やりかたが分からなかったですね
佐藤:投稿手法が分からなかったんだと
今津:そうですね。


   5年間の作品綴りを出してくる 今津

佐藤:けっこう分厚いですね これ全部ですか
今津そうなんですよ

佐藤
:一個一個順じゃなくって この物件を紹介したいものだけで けっこうです

今津:そんなら、そうしますね。
 2010年2号店の、作品でターニングポイントになったんですけど。8坪のパン屋さんで、8坪で めちゃくちゃ予算も少なかったので。

特に僕としては完成するときまで、大事にしてないというか ふふふふ 粛々とやっている 気負わずに。

藤:予算も少ないし規模も小さいし 粛々すすめたら それがイイ方向にと
今津:はい。これは京都にあるんですけど、京都らしさというか、ミニマム(デザイン)なので基本的には。

 そういうのが何か海外の人からとったら、日本的に見えたのかして。トータルで10カ国以上の雑誌 南米から、色々載って。未だにちょくちょく掲載のオファーが海外からメールとどいてます。

このプロジェクトは僕のサッカーの先輩やったんで、設計料もパンでした。ふふふふ。

佐藤:ぶつぶつ 交換ですね 毎日一年分焼いたパンで支払うと
今津いまだにパンもらってますけど。
佐藤:なるほど それはいいね。ということでこの店で焼いたパンを販売しているんだと。メーンのショウケースは古材を使ったうえにパンがどかんと 乗っているっていうことですか。ショーケースもそうですか



今津ショウケースはアンティークで。ブビンガなんですかど。5mぐらいあるブビンガを別プロジェクトで平林の貯木場に行ったときに、これ捨てられてまして。社長に売ってくれませんか 言うて。ほんなら凄く安価に譲ってくれて

佐藤:廃材にちかい古材活用をした
今津:配送費も無料にしてくれて。一応鉄骨の荷重だけみて。 ぶすっと刺さっているという。
佐藤:設計行為もデザインも超ミニマムですね

今津そうなんです
藤:天板はステンレスの厚板がのっているんですか
津:アルミです。 8ミリやったかな。無垢の。素地です、アルマイトもしてない。
佐藤:パン上げて腐食しないんですか



今津:大丈夫ですね白錆びも全然今出てないので。外部の場合は雨とかね、そういうものに反応して白錆び出来るかも知れませんけど。

佐藤:棚もそうですね
今津そうです 一緒です。ミニマムなんですけど、(幅木部)ここにネズミの穴みたいなのが在りまして、これが出来てからお客さん、子供連れとか来たら、これを覗いたりとか、えらく印象に残るみたいで、この穴を切っ掛けにお客さんと店主がコミュニケーション。の切っ掛けみたいなものが発生する

佐藤:これなん?ってことから対話が始まったんだと ここから猫とか出て来るですか
今津:出てこないです ただの照明なんです ここに豆電球が一個

佐藤:外に出入りできたりせず ほこらみたいなのがちょぽっと在ると。
今津:一応図面は書いてね 見積もり図にもあるんですけど。出来てみると反響がすごくあって。とてもミニマムな空間なんですけど。これが在るんと無いんとで、だいぶ

佐藤:この仕掛けて対話が活発になるんだ これ褒めるのも難しいし ふふふふ 話題が何重にもなっていくということで これが一つ在ることでね なるほど。ミニマムプラスが在るとないとでは違うんだと

今津:
それから色々デザインの本編とは関係無い、自立したアイディアというのを幾つか重ねるっていうことが有効だなーと思って。その後色々やってますね〜。

これもインテリデザインの賞をもらったり、サインの賞をもらったり。



佐藤
:受賞するには自己申告ですか
今津そうです
佐藤:ロゴもデザインされているんですか

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