HOME 佐藤敏宏 |
佐藤敏宏の2013年ことば悦覧@大阪 今津康夫 編 01 02 03 04 |
02 今津: ロゴは造りました。三角形だけでハード系のパンがデザイン出来ないかなーと思って。勝手にちょっとやってみたらうまいこといったんで。施主に見せたらいいねーということになって。基本的にはグラフィックとかやらないんですけど。思いついたら見せて 。よかったら使ってくださいみたいな感じですね この旗も、サイン代わりで。看板とか あんまりしたくなかったので。パンの焼き色をねイメージして。素材はホーガンジーですね。オープンしたら刺すと。閉店したら抜くと。 佐藤いいすね〜 風で動くんですか 今津:動きます 三枚の襞になってまして、 佐藤:焼き色と パンの地と 今津:色々反響をもらえて 世界から。 佐藤:中の素材を切ってベンチにしてと 今津:そです、もう一個あったんですけど、もう一個は僕の庭に持って帰りましてね。 佐藤:町の人がちょと座ったりするわけだね 今津:はい そういう意図でベンチとして 佐藤:敷地内に設置しているんですよね 今津:敷地内ですね 佐藤:好い感じですね 今津:あとはコンペベースで クラフトデザイン。東京ミッドタウンのデザインアワードなんですけど。これがドウナツ状に開いている、 シート。 佐藤:シートをデザインしたんですね 今津:はい。それも 佐藤:櫻の花びらが散って て人が写っているわけじゃないんでしょ、人っぽく見えるけど 人も印刷してあるんですか 今津:してないしてない 櫻の花吹雪だけを印刷した。 佐藤:それをシートとして売ろうと。 今津:これも賞をもらいまして。 佐藤:この方はプロダクトデザインの中では有名な方なんですか 今津:そうですね。 そんなんもちょいちょい コンペベースですけどもね。 頁をめくり続ける 今津 雑貨やさんや服屋さんのインテリアしたり。これも商店建築に載せてもらいましたね。 佐藤:基本的には ミニマムなデザインで商品を引き立たせるというか 今津:そうですね。それは服が主役なので。 佐藤:そういう要求が多いですか 今津:多いですね 佐藤:シンプル 安く と 今津:「安い」っていうのもセットで付いて来ますねー 佐藤:付いてきますか はやり相変わらず 今津:ぼくは個人の人がクライアント、店が多いので。企業とかそういうのじゃないので、コストとかローコストは多いでし。デザインが前に立つようなものは無いですなあんまり。 これはヘアーサロンですね。 頁をめくり続ける今津 これは調剤薬局なんですけど。すぐそこに建ってまして。ドット・アークテクトの家成さんと協働して。 佐藤:家成さんとではデザイン姿勢は対局 じゃないですか。 今津:家成さんがこのプロジェクトをやるのに、パートナーとして誘ってくれたっていう。「一緒にやらない」みたいな。 佐藤:そうか 家成さんはこういうミニマムは苦手なんだな 今津:そんなことないと思うんですけど。 佐藤:いつ頃ですか誘われたのは。2011年だから 1年ぐらい前ですね。 今津:これが紆余曲折あってこの形になっていくですけれども。当初案は見積もりオーバーで。もっと過激な はははは 案やったんですけど。全面トップライトになっていたりとか。コストで合わず。その反動として屋根がシンプルに掛かってますけど。 佐藤:木造で在来工法ですか 今津:鉄骨造で地震力には受けて、風には木造で受けてというハイブリットで。戦後60年間不法占拠されていた 4m道なんですよ。これ(敷地) 佐藤:そうですか。道路を不法占拠していたんだと 今津:今は道路としての機能は要らないので、大阪市が民間に払い下げて。で施主が買ったんですよ。なので道路の切り下げもあって 佐藤:路上に屋根を架けたみたいなもんですね 今津:4m×60m弱ぐらいかな、の敷地の手前30m弱ぐらが僕らの敷地で残り半分はまだ残ってますね。売りに出てないのかも知れません。 佐藤:すぽんと抜けることはできなんだ 今津:はい。後ろも接道しているので 佐藤:後ろを買った人は そこから建てればいいと 佐藤:家成さんとの建築協働作業とは想えないシンプル〜サーですねー 今津:ふふふふふ 佐藤:家成さん 今津さんに負けちゃったよ− 今津:いやいや 色々打ち合わせしてこんな形になって 佐藤:1人で設計するのと他の人と協働でするのはどうですか 善し悪しというか。 今津:よさ、悪さは決定のスピードがね遅れますよね。僕1人で決めれないので。よさは、わいわいやるのって楽しいので。基本設計の段階とかって割と意見をブレストしてやるのは楽しいですね。 佐藤:家成さんは建築の専門の教育を受けてないで、建築を始めた人であるし、今津さんは ばりばりの阪大出てばりばりの有名建築事務所を経て、その2人が協働で建築を設計するって その意外性はねー 話しがうまく進むのかな−って 今津:ははは 家成さん自体謙虚な人なんでね。そんなに もめたりすることも無かったですし。基本的に人の意見をね聞いてっていう人なので。 佐藤:誘いの口説き文句は何だったんですか最初 今津:一緒にやらへん みたいな そんで条件が面白そうだったんでねー。是非やらしてくださいってことで。僕とやったら闘いそうやったんちゃいますか〜ふふふふふ 佐藤:身辺問題かかえ新しい考え方の風を吹き込まないと 家成さん息詰まっていたのかな ふふふ メーンフレームが鉄骨で 間柱が450p間隔ぐらいに立っているんですか 基礎が現れちゃっているですね 今津:基礎 あらわれてますねー 元々道路なので フロアレベルは家具とか色々置かれちゃって路で在り続けることはできないので、天井は自由なのでズドーンと25m天井だけは連続して、路を反転して転写しようという。 佐藤:入り口は中心からずらしたと 今津:そうですね。 佐藤:ずれていある入り口の方が気持ちがいいなーと。山形ラーメンを鉄骨でつくってその間を木材でリズムを付けていった形ということですね 今津:ここは薬局だらけの町なんですけど。北野病院の近くなので。どれもALCの鉄骨でテナントとして入って居るんで。基本的に体が弱った人が薬局に来るので、こういう木のインテリア。 佐藤:木でできてる内装の薬局からもらった薬は効きそうな気がするね へへへへ体によさそうやね。裏地は 高圧木もセメント版 ブレースを出して非常にシンプルに 長いですね本当に 後ろは閉じている 今津:当初開ける案もあったんですけど、プログラムとしてスタッフルームになったりして出来ませんでした。全面トップライトの反動でトップライトも無くしてふふふふ。とってしまいました。 佐藤:明暗が極端になっているんだね 今津:そうですね。これが間口も4mしかないですし 長いですね。 佐藤:まっすぐに25m建てる機会はなかなか少ないので、敷地条件環境対応型で いったと。それらを上手に活かして。変化球をなげる家成さんと敷地条件も設計のパートナーも 2重の異色の組み合わせで出来たと。 今津:また機会があればやるかも知れませんね 家成さんとは。 佐藤:家成さん 有名になって来ているからね。5年前はぐちゃぐちゃな事務所状況だったけど 最近は芸能人並みにポピュラーすっきり 立ち位置が分かり易く成ってきてるので 今津:ははははは 佐藤:この建築が2011年と。 今津:これはドイツ語のデティールとか 出してもらって。凄い嬉しかったです。 佐藤:ドイツの出版社から それとも日本の出版社のドイツ語版っていうことですか 今津:ドイツのデティールです 佐藤:ヨーロッパの方が先に反応した 今津:やっぱりインターネットですよね。早いですね 近いですし、距離関係ないので。 頁をめくっている今津 これも本棚のコンペでは入賞したりとかしてますけれども。これも東京ミットタウンの 佐藤:これは角砂糖のデザインですか? 今津:はい 佐藤:これは商品化されているんですか 今津:今すすめていることころです。 佐藤:これはえらいもーかりそうですねー 今津:そうなんですよねー 世界で砂糖って共通なんで ふふふふ いいんじゃないかなーと思ってるんですけど。 佐藤:めちゃ儲かりそー ダイヤモンド型砂糖をいれて飲むと体によさそう 精神的にもか はははは 大もうけしそうですね 今津:今 木型とか造ってやっている最中なんです。 佐藤:建築設計だと 工事費の何%とかだけど 砂糖だと一個コンマ何円の契約になるんですかね 今津:そうでしょうね 佐藤:凄いですね 左団扇 2本ぐらい一気に手に入っちゃう感じですね 世界中で使われるとねー 1本貸してくださねー ははは 今津:はははは そうなったらいいですね。 佐藤:成功商品になるといいですね 消費者は直ぐ飽きちゃうかもしれないけれど 形が四角じゃないから包み方が難しいかなー 砂糖のデザインもしちゃっていたと。 今津:コンペなんでねー お題が決まっていて、それに深く掘り下げて考えるっていうのは 佐藤:お題はダイヤモンドの砂糖 で あったんですか 今津:ミットタウンは5周年やったんで 5っていう抽象的なタイトルなんです。角砂糖って1個5グラムなんですよ。で5角形のダイヤモンドで5づくしの提案 佐藤:ダジャレみたいな 語呂合わせだけど デザインみたらいいじゃんと。 今津:で人気者っていうプロダクトのデザインやるときには にんきもので出して 佐藤:デザインでは人気者になりたいんだと 今津:はい。考えるのは建築と似ているので。 佐藤:どういふうに似てますかね 全体の構成とかですか 文脈考えて 意味を考えてですか形に辿り着くということですか 今津:はいそうです。 佐藤:感覚的に造形感覚で造り上げるんじゃなくって、状況を分析して 今津:プロセスが似てますねー。 佐藤:コールハースなどの影響ですか。 今津:コールハースというより設計者全般そうかなーと思ってましたけど。 佐藤:そうじゃない人も居るよね 感覚一発決めだったり がちがちのロジック派だったりと色んなタイプがいるけど 状況対応型はね 歴史的なことも調査したり考えるんですか。角砂糖の歴史を研究するとかするんですか 今津:そこまではしないですね。でも今はほとんどの建築家はそうじゃないですか。日本で物建てようと思ったらね。 佐藤:造る理由が希薄ですよね なんで造るの?って聞かれたら 後ろに引いちゃうけどでも 造らなければいけない状況に置かれているんだと 今津:はいそうですね。で検証してやるっていう。 佐藤:高度成長期のように単純に作り続け成長巨大化目指すような社会状況ではないので 造るための一歩が踏み出しにくいんだと 今津:そうですね そういう社会状況ありますね〜で、南米とかね、ニーマイヤーとか観ているとマイストロとして建築が造られるっているように見えて、それはそれで何かおおらかでね。凄くいいなーと思うんですけれども。 佐藤:日本では 建築的巨匠が旗振ったら 市民が喝采し歓迎するという状況ではないですよね 今津:ないですね。 佐藤:原発事故も起きたし 財政赤字巨大で 難問だし なんだこんな無駄なのもつくりやがってと批判されるし 1000兆円の借金背負って 物作って喜んでいる ばあいじゃねーだろーと 未来は人間減ってきているしーふふふ 今津:そういうのありますよね その03 へ |
|