衆議院 原子力問題調査 特別委員会

原子力問題に関する件─原子力規制行政の在り方

第4号 令和3年4月27日(火曜日)
会議録本文へ 20211年令和3年4月27日(火曜日)
出席委員   委員長 渡辺 博道
理事 伊藤忠彦・江渡聡徳・津島淳・中村裕之・細田健一・山内康一・ 中野洋昌・井林辰憲・石川昭政・泉田裕彦・岩田和親・城内実
・北村誠吾・齋藤健・斎藤洋明・土井亨・西田昭二・野中厚・福山守・古田圭一・ 星野剛士・三原朝彦・宮澤博行・簗和生・吉野正芳
・阿部知子・荒井聰・石川香織・菅直人・斉木武志・日吉雄太・宮川伸・山崎誠・浮島智子・太田昌孝・藤野保史・足立康史・浅野哲
参考人
(アドバイザリー・ボード会長)
01)(政策研究大学院大学名誉教授)    黒川 清
02)(東京理科大学経営学研究科教授)   石橋 哲
03)(国際大学副学長・国際大学大学院国際経営学研究科教授橘川 武郎
04)(長崎大学核兵器廃絶研究センター副センター長・教授鈴木達治郎
衆議院調査局原子力問題調査特別調査室長  飯野 伸夫


質疑応答編へ 

○渡辺委員長 これより会議を開きます。

 原子力問題に関する件、特に原子力規制行政の在り方について調査を進めます。

 本日は、本件調査のため、参考人として、アドバイザリー・ボード会長及び会員の、政策研究大学院大学名誉教授黒川清君、東京理科大学経営学研究科教授石橋哲君、国際大学副学長・国際大学大学院国際経営学研究科教授橘川武郎君及び長崎大学核兵器廃絶研究センター副センター長・教授鈴木達治郎君、以上四名の方々に御出席をいただいております。

 この際、参考人各位に委員会を代表いたしまして一言御挨拶を申し上げます。

 本日は、御多用のところ本委員会に御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見を賜れれば幸いに存じます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 次に、議事の順序について申し上げます。

 まず、参考人各位からそれぞれ十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。

 なお、念のため申し上げますが、御発言の際はその都度委員長の許可を得ていただくようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。


 それでは、まず黒川参考人にお願いいたします


○黒川参考人 このような機会をつくっていただきまして、ありがとうございます。

 思い出せばといえばそうなんですが、もうあれから十年の年月がたちました。

 お手元に用意した私の書類でございますが、ここにリストがありまして、ちょうど十年ということで、いろんなところから、十年についてといって、いろんなセッションが行われました。世界中で四百を超える原子力発電所もあるわけですし、科学技術とかエンジニアリングには非常に強いはずの日本で起こったので、大変、みんなびっくりしたわけですけれども、私がやったのは、あれは全部公開しておりましたし、英語でも同通を入れていましたから、関係者はかなりあれを見ておりますし、そのことで、いろんなところからのインタビュー、セッションがありましたので、私としては、今日は、どんなことがあったかということをまず御紹介させていただこうと思っております。

 お手元のものですが、日本の大新聞、いわゆる朝日、毎日、読売は取材を受けまして、デジタルあるいは新聞に出たものの資料をつけております。そのほかには、ハーバード大学とかUCLAのセンターなどがそのセッションを持ちまして、ここにあるのが、そんな中でありまして、半分以上は英語でやっているものですが、一応サイトを書いてありますので、また見ていただければと思っております。

 二枚目に行きますと、講演という形でやっているのもありまして、日本の外国人記者クラブ、いろんなところでやっているのもあるということを参考にしておりまして、いつでも見られるようにしておりますが、一部だけ今日コピーを添付させていただいておりますので、後でゆっくり見ていただければと思います。

 ということで、これから、地球の温暖化その他の問題はあるんですけれども、日本で起こったあの事故ということで、一体その後がどうなったのかという話がテーマの中心でありまして、私としては、このようなものが世界的にも、今これについては、相変わらず、どうなっているのかという話は、皆さんがしっかりと学ぼうという気持ちが非常にあるんだろうと思います。

 その中で、日本のやったことはどこが悪かったのか、いろんな話についての理解が十分いっていない部分もあるのかもしれません。

 もう一つ、今でも問題になっているのは、まず、使ったスペントフュエルをどこに入れるかということですね。これがまたどうなるかというのは大きな問題ですが、始めたときからこれは決めておくべきだったのかもしれませんが、私は、個人的な意見ですが、アメリカもヤッカマウンテンを使うかどうかはまだ決まっているわけじゃないので、これは人間の有様としては結構あることなのかもしれないなと思っております。

 ヤッカマウンテンにつきましては、ちょうどあの事故が起こり、私どもが調査して、私もお会いしましたけれども、そのときのアメリカのニュークリア・レギュラトリー・コミッションのチェアウーマンであったアリソン・マクファーレンという女性ですけれども、非常に背の高い女性ですが、私も、その取材のときと、その後、報告書が出て、ワシントンに呼ばれてしゃべりに行きましたけれども、そのときにもちょっとお会いしましたが、彼女と二人の対談というのもここでやっておりますので、またそれについてもサイトがありますので、また何かありましたら、ここに書いてあるので分かりますけれども、これはUCLAでやったセッションですけれども、そんな人と久しぶりに会ったねなんという話をしましたので。

 そういうことで、コミュニケーションと、これから何を学ぶかということについては非常に皆さんが興味を持っているところだということを御報告させていただければと思っております。

 それからもう一つは、廃炉をどうするかですけれども、これについても、経験がある人たちもいるので、どれだけ、日本だけではなくて世界の英知と経験を生かすということがすごく大事だろうと思っております。

 それからもう一つは、今の処理水の問題ですね。これがまた問題なんですが、既に、トリチウム、トリチウムと言っておりますが、前回のこの会議でちょっとお見せしましたけれども、ほかのも全部抜かれているわけではなくて、ラジウムその他がどのぐらいあるかということが新聞にも出てこないというところがちょっと問題だなと思っております。

 どのぐらいそれがあって、どのぐらいにすればどうなるのかという話を、透明性がないことにはやはり信用ができないという話と、透明性なしでやっているのは何か理由があるのかなと疑われてしまうところが一番のまずいところだと思いますので、これについてはまた後でアップ・ツー・デートのデータもお出ししようと思いますけれども、そのデータを言わないでトリチウム、トリチウムになっちゃっているので、これはすごく日本のPRとしてもまずいと思っております。

 そういうのは国会議員さんの問題ではなくてむしろ東電関係の人たちの問題だと思うんですが、あの処理水にはどのぐらいのほかの核種があるのかという話は常にやはり知っておかないといけないんじゃないか。それをどうやって処理するのかという話はそれなりのルールがあるはずですので、その辺をきちんとしておくことがすごく大事だなと。

 もちろん海外でもトリチウムの部分については流しているわけですけれども、日本が言っているトリチウム水というのは、トリチウムでないものがたくさん入っているんだという話が一番のイシューで、それがちっとも出てこないところにどういう力が働いているのか私はよく分からないんですが、メディアも責任があるぞという話は結構していますので、その辺を是非国権の最高機関である国会の方からもプッシュしていただきながら、やはり世界とそれから日本の国民の理解を得ることはすごく大事なことじゃないだろうかと思っております。

 私の意見としては、これは十年たちまして、まだまだ世界の関心は非常に高いということの一片だと思いますけれども、この辺について御報告させていただきました。

 どうも御清聴ありがとうございました。(拍手)

○渡辺委員長 ありがとうございました。

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